「1週間の無断欠勤」は解雇予告手当不要か【平成16年:事例研究より】

トップ » 解雇 » 解雇について

数ヵ月前に採用した従業員Aは、遅刻、無断欠勤が多く再三注意してもいっこうに改まりません。

今度も1週間にわたって無断欠勤しました。

就業規則には解雇事由として「正当な事由なく1週間以上無断欠勤した場合」がありますので、これを適用して解雇したい考えです。

所轄労基署長の認定を受ければ、30日前の解雇予告、30日分の解雇予告手当を支払わなくて解雇できるのでしょうか。

【広島・H社】

使用者が労働者を解雇しようとする場合には、労基法第20条により30日前に解雇予告をするか、30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払わなければなりません。

しかし、1.天災地変その他やむを得ない事由のため事業の継続が不可能となった場合、2.労働者の責に帰すべき事由に基づいて解雇する場合で、所轄労基署長の認定を受けたときは、解雇予告または解雇予告手当の支払いなしに即時解雇することができます。

ご質問は、2.に関するものですが、「労働者の責に帰すべき事由」とはどのようなものをいうのかについて、行政解釈(昭23・11・11基発第1637号、昭31・3・1基発第111号)は、「労働者の故意、過失又はこれと同視すべき事由であるが、判定に当っては、労働者の地位、職責、継続勤務年限、勤務状況等を考慮の上、総合的に判断すべきであり、『労働者の責に帰すべき事由』が法第20条の保護を与える必要のない程度に重大又は悪質なものであり、従って又使用者をしてかかる労働者に30日前に解雇の予告をなさしめることが当該事由と比較して均衡を失するようなものに限って認定すべきものである」としています。

認定事例を次に示します。

1.原則として極めて軽微なものを除き、事業場内における盗取、横領、傷害等刑法犯に該当する行為があった場合 2.賭博、風紀紊乱等により職場規律を乱し、他の労働者に悪影響を及ぼす場合 3.雇入れの際の採用条件となるような経歴を詐称した場合及び雇入れの際、使用者の調査に対し、不採用の原因となるような経歴を詐称した場合 4.他の事業場へ転職した場合 5.原則として2週間以上正当な理由なく無断欠勤し、出勤の督促に応じない場合 6.出勤不良又は出欠常ならず、数回にわたって注意をうけても改めない場合 今回の無断欠勤は1週間とのことですから、それだけでは認定基準には該当しないと考えられます。

しかし、そのようなことがたびたびあり、再三にわたって注意してきたとのことですから、「出勤不良又は出欠常ならず、数回にわたって注意をうけても改めない場合」に該当し、労働者の責に帰すべき事由があると考えられます。

したがって、従業員を解雇予告、解雇予告手当の支払なしに解雇するのであれば、所轄労基署長の認定を受ける必要があります。

【平成16年:事例研究より】

採用に強い大阪の社労士:大平一路