離職理由による基本手当の給付制限のほかに受給日数の制限もあるのか【平成4年:事例研究より】

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私はこのたび離職し、求職の申し込みをするため公共職業安定所に行こうと思いますが、私のように自らの意思て退職した場合、給付制限があると聞きました。

この場合、基本手当を受給できる日数についても制限を受けることになるのでしょうか。

【神奈川・O男】

雇用保険においては、離職後、公共職業安定所で基本手当の受給資格を決定する際、離職理由によって給付制限を受ける場合があります。

これは待期満了後(離職後公共職業安定所で求職申込みを行い、受格資格を決定した日以後失業している日が通算して7日に達した日に待期期間は満了する)1ヵ月以上3ヵ月以内の間で公共職業安定所が定める期間は、基本手当が支給されないというものです。

離職理由により給付制限が行われるのは、被保険者が自己の責めに帰すべき重大な理由によって解雇された場合、正当な理由がないと認めらるにもかかわらず自己の都合によって退職した場合です。

自己都合退職の場合に給付制限が行われるのは、それが正当な理由がない場合であって正当な理由があると認められる自己都合退職の場合には給付制限は行われません。

この場合、正当な理由とは事業所の状況、被保険者の健康状態、家庭の事情その他からみて、その退職が真にやむを得ないものであることが客観的に認められる場合をいい、被保険者の主観的な判断は考慮されません。

正当な理由の有無の認定は、公共職業安定所が労働大臣の定める基準に従って行うものとされています。

離職理由による給付制限が行われる期間は、次の通りです。

1.受給資格に係る離職に基づき給付制限が行われる場合には3ヵ月 2.受給期間中の再離職に基づき給付制限が行われる場合には1ヵ月 3.再就職手当の支給を受け就職し、新たに受給資格を取得することなく当該事業所を再離職し、当該再離職理由による給付制限が行われる場合には2ヵ月 このような、離職理由に基づく給付制限を行うのは、雇用保険は倒産による解雇など被保険者にとって非任意的な失業と認められるものについて給付を行うことを基本としているためです。

自らの意志による離職は、離職前に離職後の生活設計を立て得るものであり、非任意的な離職の場合と異なると考えられています。

しかし、離職して一定期開後も働く意志と能力があり、求職活動を行っていながらもなお職業についていない状態であれば、基本手当の給付が行われることになります。

この場合、給付制限満了後に基本手当の支給が行われます。

、ご質問のように給付制限が行われた場合、受給期間内において給付制限満了後、所定給付日数分の基本手当の受給が可能となります。

ですから、所定給付日数分の基本手当を受給する前に受給期間が満了した場合は、それを超えて基本手当の支給は行われません。

ただし、基本手当の受給資格に係る離職について、給付制限を行った場合において、当該給付制限期間に待期の7日および当該受給資格に係る所定給付日数に相当する日数を加えた期間が1年を超えるときは、当初の受給期間に〈給付制限期間プラス7日プラス所定給付日数マイナス1年〉を加えた期間が、あなたの受給期間となります。

【平成4年:事例研究より】