日雇特例の傷病手当金と出産手当金、併給調整の仕組み教えて【平成16年:事例研究より】

トップ » 社会保険 » 日雇特例被保険者

日雇特例被保険者の勉強をしていて、疑問が生じました。

参考書には、「傷病手当金が出産手当金の額を超えるときは、その超える部分については、傷病手当金を支給する」という併給調整の規定が書いてありますが、一般の被保険者の項には、こうしたただし書きはついていないようです。

日雇特例だけの特殊な仕組みなのでしょうか。

【岩手・Y男】

細かな規定ですが、日雇特例被保険者の給付制度を頭に叩き込むには、よい.問題だと思います。

一般の健保被保険者と日雇特例被保険者を、健康保険法の枠組の中で平等に扱うために、両者の仕組みをできる限り統一するように工夫が凝らされています。

しかし、保険料徴収の方法が違うため、細部まで同じ形に設計することはできません。

出産手当金と傷病手当金の併給調整も、「出産手当金を支給する場合は、その期間、傷病手当金は支給しない]という大原則は同じですが、ご指摘のように、日雇特例被保険者についてだけ、差額調整の規定が付け加えられています。

なぜ、違いが生じるか、手当金の算定方法をみてみましょう。

一般の被保険者の場合、出産手当金も傷病手当金も、計算のベースはその人の標準報酬日額で、支給率も6割で共通です。

ですから、出産手当金と傷病手当金の金額は、常に等しく、差額が生じる余地はありません。

ところが、日雇特例被保険者の場合、要件と計算方法に微妙な違いがあります。

傷病手当金の場合、1.過去2月に26日以上保険料を納めている場合、各月の標準賃金日額を合算した額のうち最大のものの50分の1、2.過去6月に78日以上保険料を収めている場合、各月の標準賃金日額を合算した額のうち最大のものの50分の1、3.いずれにも該当する場合は、金額の高い方−という原則に従って、金額が決まります。

出産手当金の金額は、過去4月に26日以上保険料を納めている場合、各月の標準賃金日額を合算した額のうち最大のものの50分の1です。

各月の合算額のうち最大のものの50分の1という基準に違いはありません。

しかし、傷病手当金は過去2月(または6月)、出産手当金は過去4月を見比べて最大のものを選ぶので、金額が同じになる保証はありません。

むしろ異なるケースが多いと考えられるので、この差額調整の規定は実務的には、思いのほか重要なのです。

日雇特例被保険者のケースについて、なぜ月の合算額の50分の1という定め方が採用されたか、その理由を補足しておきます。

一般の被保険者の場合、標準報酬月額の30分の1が標準報酬日額で、その6割(5分の3)が手当金の金額になります。

日雇特例被保険者の場合、1日当たりの平均標準賃金日額は、合算額の30分の1です。

手当金の金額をその6割と設定すると、1/30×3/5=1/50となります。

ここにも、両者の水準をそろえようという工夫が現れています。

【平成16年:事例研究より】

社労士先生限定!今日から取り組めて売上を伸ばす方法。初期費用ゼロでリスクなし