出産育児一時金をすぐに欲しいが、夫の被保険者としての申請でも金額同じか【平成16年:事例研究より】

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私は、退職後、出産しましたが、被保険者本人の資格でも、被保険者の配.偶者としても、出産育児一時金の青求が可能だと聞きました。

主人の会社は頼めばすぐに手続きしてくれるといっていますが、金額その他、条件面で何か違いかおるでしょうか。

【北海道・H子】

被保険者本人は、資格喪失の前日まで1年以上被保険者たった場合には、資格喪失後らヵ月以内の分娩に限り、被保険者当時と同じ出産関係給付を受けることができます。

一方、健康保険被保険者の被扶養者が出産したときは、被保険者本人に対し家族出産育児一時金が支給されます。

ですから、お尋ねのように、同一人について両方の給付を受ける権利が発生するケースもあり得ます。

もちろん、どちらも申請するわけにはいかず、片方を選択することになります。

細かい点にこだわると、被保険者本人で請求した場合には本人が受取人ですが、配偶者として手続きすれば夫が受取人になるという違いがあります。

どちらの財布に入るかが大問題になる夫婦もいるかもしれませんが、円満な家庭では、金額的に差があるかどうかが一番の関心事でしょう。

現在では、被保険者本人の出産育児一時金も家族出産育児一時金も、金額的には30万円で統一されています。

しかし、平成6年以前には、被保険者本人給付と配偶者給付には違いがありました。

本人給付が標準報酬月額の2分の1(24万円保障)なのに対し、配偶者は一律24万円でした。

本人給付が標準報酬月額比例、家族給付が定額というのは、埋葬料とよく似ています。

埋葬料は、本人が標準報酬月額1月分(10万円保障)、家族が10万円です。

しかし、平成6年の改正で、出産に関しては両者の金額が統一されました。

収入にかかわらず、分娩に伴う費用は基本的に同一だからという理由ですが、それをいうなら、葬祭費用についても両者の差をなくすべきだ(基本的な費用だけを保障)という考え方もあるでしょう。

【平成16年:事例研究より】