6割の傷病手当金では生活が困難、見舞金の付加を会社と交渉したいが減額されぬ方法はあるか【平成4年:事例研究より】

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健康保険の傷病手当金の支給は18ヵ月で、手当金額は標準報酬日額の60%です。

60%の水準では生活面で切りつめなければならないことから、なんらかの見舞金を付加すべく会社と交渉したいと思っています。

どの程度の見舞金額なら傷病手当金は減額されないのでしょうか。

また、この場合、賞与は減額の対象となるのでしょうか。

【神奈川・H労組】

健康保険の傷病手当金は、療養のため労務不能であることにより収入の喪失または減少をきたしたときに、報酬にかわって支給するという性格のものですから、本来の報酬が支払われるときには傷病手当金は支給されません。

支払われる報酬が傷病手当金の額以下の場合には差額が傷病手当金として支給されます。

このことは、健康保険法第58条に「報酬の全部または一部を受けることのできる者に対しては、受けることができる期間傷病手当金は支給しない」、「受けることができる報酬の額が傷病手当金の額より少ないときは差額を支給する」ことと規定されています。

見舞金として出すときも、「これは名目は見舞金でもいわゆるお見舞ではなく、事業主と被保険者との雇用関係に基づいて事業主が報酬の一一部を支給し生活を保証しようとするものであるから報酬の中に入る」(昭32・8・6保文発第6737号)とされています。

名目は見舞金であっても、毎月支給するものは報酬とされます。

傷病手当金が減額されない見舞金は、その傷病に対して一回支給されるいわゆるお見舞でなければなりません。

年3回以下の賞与は報酬の範囲から除かれ、賞与を支給しても傷病手当金減額の対象となりません。

なお、賞与は特別保険料の対象となり、保険料は徴収されます。

【平成4年:事例研究より】