傷病手当金の受給者が生命保険の入院給付金を受給したとき減額されるか【平成4年:事例研究より】

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当社の従業員(健康保険の被保険者)は私病のため入院中です。

生命保険に入っており、入院期間中保険金が支払われます。

欠勤中は無給で、健康保険の傷病手当金を請求するわけですが、生命保険から保険金が支払われるということで、傷病手当金が減額されるということはありませんか。

【千葉K社】

傷病手当金は、私傷病の療養のため労務不能で、報酬が受けられないとき、3日間の待期期間をおき、第4日目から支給されますが、生命保険からの保険金の受給に関係なく、健康保険の傷病手当金は全額支給されます。

傷病手当金は、療養中の被保険者の生活の安定を図るため、報酬に代わって支給するという性格のものですから、事業主から本来の報酬が支払われる場合には傷病手当金は支給されません。

また、報酬が支払われても、その額が傷病手当金の額より少ない場合には、差額が傷病手当金として支給されます(健保法第58条)。

この報酬とは、健康保険法上の報酬をいい、事業に使用されている者が労務の対価として受けるもめです。

生命保険の保険金は、事業主からの報酬ではありませんので、傷病手当金減額の対象となりません。

したがって、生命保険に入り、いくら保険金を受給しても、それと関係なく傷病手当金が受けられます。

【平成4年:事例研究より】