任意継続で標準報酬が下がると傷病手当金も減額調整するか【平成15年:事例研究より】

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長期病気療養中の社員が、私傷病休職期間満了で退社します。

任意継続被保険者の手続きを勧めていますが、手当の金額で確認したいことがあります。

本人は、標準報酬月額50万円と高額で、それに見合う傷病手当金を受けています。

任意継続に切り替わると、手当金の金額もダウンするのでしょうか。

【埼玉 H社】

退職後も、健康保険から傷病手当金を受けたい場合、任意継続被保険者になる方法と、資格喪失後の継続給付を受ける方法の2とおりがあります。

両者は一長一短で、どちらが得か一概には決められません。

まず、手当の金額ですが、任意継続被保険者は、その名のとおり、退職後も健保の被保険者資格が継続します。

標準報酬月額は、政管健保の場合で28万円もしくは本人の退職前の標準報酬月額、そのどちらか低いほうに決められます。

お尋ねのケースでは、退職前50万円と高額なので、28万円に決まります。

傷病手当金は標準報酬月額に連動して決まるので、退職前は50万円を基準に1日当たり1万2円が支払われますが、退職後は28万円が基準となるため、5,598円に下かってしまいます。

仮に、月中で辞めた場合、15日までは在職中の資格に基づき手当が計算され、16日以降は新しい単価が適用されます。

一方、資格喪失後の継続給付を受ける場合、本人は健保の資格がないので、標準報酬月額を定めることができません。

傷病手当金は、退職前の標準報酬月額を元に算定します。

つまり、退職後も、50万円を基準に1万2円が払われ続けるということです。

金額面では任意継続にしない方が得なのですが、保険料については結論が逆になります。

任意継続被保険者になれば、保険料は28万円をベースに計算されます。

労使折半負担でなく全額本人負担になりますが、50万円をベースに計算されていた在職時代と比べると、保険料の増額は大きくありません。

それに対し、国民健康保険の保険料は前年の収入をベースに決められるので、退職後1年は割高になりがちです。

市区町村によっては、資産割も含めて保険料を算定するケースもあるので、個人的に大きな資産を保有していれば、さらに金額が跳ね上がります。

このため、通常は、任意継続にした方が、保険料は得なのです。

そこで、問題になるのが、傷病手当金をいつまでもらえるかです。

傷病手当金は、支給期間が1年6ヵ月に限られています。

病気休職が発令され、それが満了したので退職に至ったという話ですから、すでに相当期間、手当金を受けているはずです。

割高の保険料を支払って、高額の傷病手当金を受ける選択をしても、すぐに受給期間の限度が来るかもしれません。

それなら、手当金のダウンも考慮に入れたうえで、任意継続の手続きを取った方が、有利という判断になります。

そのあたりの事情も、きちんと確認する必要があります。

【平成15年:事例研究より】

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