70歳で名誉重役となる実父の被保険者資格をはずし息子の被扶養者にしたいがどうか【平成4年:事例研究より】

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当社は、株式会社とは名ばかりの小さな同族会社で、政府管掌の健康保険に加入しています。

70歳の実父が会社の名誉重役的存在で、実質上はその子息が職務を行っています。

実父の被保険者資格をはずし、子息の被扶養者にすることはできませんか。

【神奈川・S社】

健康保険では、適用事業所に使用される者は原則としてすべて被保険者となります。

法人組織の会社の代表者、重役等でも法人に使用され、法人に労務を提供し、その対価として報酬の支払いを受けている者は被保険者となります。

行政解釈は、「会社等法人の理事、監事、取締役、代表社員等のいわゆる代表機関は、民法または商法においては、法人に使用されている者とは解されないが、健康保険の適用については、法人から労務の対償として報酬を受けている者は、その法人に使用されるものとして被保険者の資格を取得することになる」(昭24・7・28保発第74号)としています。

したがって、ご質問の実父が名誉重役的存在であっても、何らかの労務を提供し、報酬の支払いを受けている以上、被保険者であり、被保険者資格をはずすことはできないと考えられます。

また、被扶養者となろうとする者に、年間収入が110万円(60歳以上の老年者である場合は160万円)を超える場合には、被扶養者になれません。

【平成4年:事例研究より】