退職後病気で急死、任意継続や継続療養の手続きをしてないとき保険給付はどうなる【平成4年:事例研究より】

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当社を退職した人が、退職後に急死しました。

まだどこにも勤務していませんでした。

健康保険では、退職後であっても、資格喪失後の継続給付を受けていた人が死亡した場合には、埋葬料が支給されるようですが、退職の際には病気にかかっていませんので継続給付を受けていません。

退職により健康保険は切れていますので、埋葬料は支給されませんか。

【秋田・T製作所】

健康保険の埋葬料は、在職中で現に被保険者の資格を有している者が死亡したときだけではなく、退職して被保険者の資格を喪失した後の死亡であっても、次の3つ場合には埋葬料が支給されます。

1.資格喪失後の継続給付受給中の被保険者であった者が死亡したとき 2.継続給付を受けなくなった日から3ヵ月以内に死亡したとき 3.資格喪失後3ヵ月以内に死亡したとき 資格喪失後の継続給付として受けることのできる給付には、療養の給付、傷病手当金、出産手当金がありますが、1.はこれらの給付のいずれかを受けていた者が死亡したときであり、2.はこれらの給付を受けなくなった日から3ヵ月以内に死亡したときです。

3.は資格喪失後の継続給付を受けていなくても、資格喪失後3ヵ月以内に死亡したときです。

したがって、資格喪失後において埋葬料が支給されるのは、資格喪失後の継続療養を受けていた者が死亡した場合に限られず、資格喪失後3ヵ月以内の死亡であれば埋葬料が支給されます。

資格喪失後の継続給付のように、資格喪失の日の前日まで継続して1年以上被保険者であったという要件も必要としません。

とにかく1ヵ月でも、2ヵ月でも被保険者であればよく、資格喪失後3ヵ月以内の死亡であれば、理葬料が支給されます。

ご質問では、退職されてからどのくらいの期間で死亡されたのか明らかでありませんが、資格喪失後3ヵ月以内の死亡であれば埋葬料が支給されます。

埋葬料を受給できる者は、死亡当時、死亡した人によって生計を維持していた者であって埋葬を行う者です。

この生計維持の程度は、亡くなった被保険者であった者により生計の一部でも維持されていればよいとされています。

埋葬料の額は、退職時の標準報酬月額に相当する額(標準報酬月額が10万円未満のときは10万円)です。

【平成4年:事例研究より】