継続療養者が再就職し1年未満で退職、継続療養の復活できるか【平成4年:事例研究より】

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健康保険では、被保険者期間が1年以上あれば、退職時にかかっていた病気に限って、退職後も継続療養が受けられます。

この継続療養を受給していた者が再就職して被保険者資格を取得し、さらに1年未満で退職した場合、この病気についての継続療養はどうなるのでしょうか。

再び継続療養ができますか。

被保険者期間が1年以上ないため、できませんか。

【静岡・M社】

健康保険では、被保険者の資格を喪失した際に療養の給付を受けていれば、退職後も引き続きその病気に限り継続療養が受けられます。

この資格喪失後の継続療養を受けるには、資格を喪失した日の前日まで継続して1年以上被保険者であったことが必要です。

継続療養が受けられる期間は、その病気の初診日(在職中の療養の給付開始日)から5年間です。

資格喪失してから5年間ということではありません。

この継続療養を受給している人が、再び健康保険の被保険者資格を取得した場合には、被保険者である間、被保険者として本来の給付が受給できますので、継続療養は行われなくなり、被保険者としての給付が優先して行われます。

新しい会社での被保険者期間が1年未満で、再び被保険者資格を喪失した場合、その会社での継続療養は受給要件を満たしませんので、継続療養はできません。

しかし、その会社での被保険者期間中は、被保険者としての療養の給付を受けることができますので、この間は前の継続療養の受給権が消滅したのではなく、一時停止されていたという考え方により、被保険者の資格取得前に受給していた継続療養の受給期間が経過するまでの間、引き続き前の継続療養が復活し、再度受けることができます。 継続療養の受給者が被保険者資格取得後に再喪失した場合の継続療養の取り扱いについて、行政解釈は、「被保険者資格取得前に受給していた同一傷病の継続療養の受給期間が、経過するまでの問、引き続き当該継続療養を復活して行う取り扱いとする」(昭52・4・5保険発第22号)としています。

この場合、継続療養の受給期間は、途中に被保険者資格を有するものに対する給付が混じっていても、前の療養の給付開始日から5年間です。

したがって、二度目の資格喪失時において、療養の給付開始日から5年以上を経過していれば、もはや継続療養は行われません。

【平成4年:事例研究より】