田舎の父が死亡、被扶養者で加給年金の対象となっている継母を子供の被扶養者に入れられるか【平成4年:事例研究より】

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当社の従業員Mは、妻と子大人があり、ともにMの健康保険の被扶養者となっています。

このほど、田舎の父が死亡したため、父の被扶養者で加給年金の対象となっていた継母を被扶養者にして欲しいと申し出がありました。

継母は、Mの実母が死亡した後、父のところに後妻としてきたもので入籍もしています。

仕送りをしなければならないとのことですが、継母はMの被扶養者になれますか。

この場合、継母には厚生年金の遺族年金の支給があると思われますが、継母は被扶養者になりますか。

【福井・W製作所】

継母は民法上、母として取り扱われませんので、母という意味では健康保険の被扶養者となりませんが、3親等内の親族に含まれますので4被保険者と同一の世帯に属し、主としてその人により生計を維持している場合には被扶養者となることができます。

実母の場合には、生計維持関係さえあれば被扶養者と認められるわけですが、継母の場合には、直系尊属でなく、一親等の姻族ですから、被扶養者となるには、生計維持関係のほか、同一世帯に属しているという事実が条件となっています。

行政解釈は、「継母は、被保険者の直系尊属ではなく、一親等の姻族であり、したがって、被扶養者となるためには、その被扶養者と同一の世帯に属し、主としてその者により生計を維持するものという2つの要件を満たしていることを必要とする」(昭32・8・6保文発第6738号)としています。

同一の世帯とは、戸籍まで同一であることを必要としませんが、同居し家計を共にしている状態をいうものとされています。

したがって、継母は、仕送りにより生計を維持していても、同一世帯という要件が欠けるだめ被扶養者と認められません。

ご質問では、年金収入があるため被扶養者になれないのではないかとお考えのようですが、継母は同一世帯が要件となっていますので、年金収入の多い、少ないに関係なく被扶養者になれません。

なお、実母の場合として収入条件について述べますと、被扶養者となろうとする人の年間収入が110万円未満(被扶養者となろうとする人が、60歳以上の場合は160万円未満)であって、被扶養者からの援助による収入額より少なくなければなりません。

年間収入には、年金収入も含まれます。

【平成4年:事例研究より】