父親は退職し年金受給する場合、母親のみ被扶養者になれるか【平成16年:事例研究より】

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従業員Aは、両親と同居しており、両親を健康保険の被扶養者にと申請してきました。

父親(62歳)は、会社を退職し、満額の年金を受給するとのことです。

年金収入のある父親は被扶養者になれないと考えられますが、母親のみを被扶養者とすることができるのでしょうか。

【新潟・M社】

健康保険では、被保険者の父母が、被扶養者となるためには、主としてその被保険者により生計を維持していることが必要です。

被扶養者として届け出る者(認定対象者)が被保険者と同一の世帯に属している場合には、「認定対象者の年間収入が130万円未満(認定対象者が60歳以上または障害厚生年金を受けられる程度の障害者の場合は180万円未満)であり、かつ、被保険者の年間収入の2分の1未満である場合には、原則として被扶養者に該当する」とされています。

年間収入は、すべての収入を対象としており老齢厚生年金も対象となります。

父親は、その年金額が180万円未満でないと被扶養者になれません。

母親のみ被扶養者にできるかといいますと、母親の生計が主として夫、子のいずれによって維持されているかで判断されます。

夫によって維持されている場合には、母親も被扶養者になれません。

【平成16年:事例研究より】