無給の育児休業中の者の被保険者資格は一時喪失させるか存続させておくべきか【平成4年:事例研究より】

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当社では、育児のため最長で1年間休職することができるのですが、健康保険と厚生年金の被保険者資格はどのように取り扱ったらよいのでしょうか。

存続させるべきなのか、休職期間中資格を喪失させてもよいのでしょうか。

また、病気休職の場合と異なりますか。

なお、休職中はいずれも無給です。

【神奈川・T社】

育児休業制度は、子を持つ労働者がその子を養育しながら働き続けるための制度です。

いわば従業員としての身分を保障した期間であり、再び労務に就くことが予定されているものですから、被保険者資格はそのまま存続します。

病気休職の場合も、それが一時的であって、再び労務に服することが予定されているような場合には、被保険者資格は存続しますので、病気休職の取り扱いと同じです。

健康保険、厚生年金の被保険者資格を喪失するのは、死亡、その事業所に使用されなくなったときなどです。

育児休業期間中(たとえ休職扱いでも)は、使用関係を消滅させるものではなく、単に労務に服させないことに過ぎませんから、被保険者資格は存続することになります。

被保険者である限り、無給で保険料を徴収できない場合でも、保険料は納付しなければなりません。

行政解釈は、病気休職の場合について「賃金の支給停止は一時的なものであり、使用関係は存続するものであるから、事業主と被保険者は、、それぞれ賃金支給停止前の標準報酬に基づく保険料を折半負担し、事業主はその納付義務を負う」(昭26・3・9保支発第619号)としています。

【平成4年:事例研究より】