新卒者の資格取得日は入社日の4月1日にしているが、病気で8日に初出勤者の取得日はいつになるか【平成4年:事例研究より】

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新規学卒者の初出勤は4月1日(入社式)で、新入社員の社会保険(健保・厚年)の資格取得年月日は4月1日として届け出ました。

このうち1人は、当時病気のため、出勤せず資格取得届を提出していませんでした。

この者が4月8日から出勤しました。

この者の資格取得届の年月日は4月1日、4月8日のいずれ、として届け出ればよいのでしょうか。

【長野・S社】

健康保険(厚生年金も同様)では、適用事業所に使用される労働者は、その者の意思にかかわらず、強制的に被保険者となる強制適用が原則です。

健康保険は、事業所を単位として適用され、そこに使用される労働者は原則としてすべて被保険者になるのですが、使用されるとは、事業主と被用者との間に事実上の使用関係があることをいいます。

事実上の使用関係の有無は、1.労務の提供、2.賃金の支払い、3.人事労務管理の有無などによって総合的に判断されます。

したがって、被保険者資格を取得する時期は、事実上の使用関係が生じた日、つまりはじめてその業務に従事した日です。

事業主は被保険者の資格を取得した者が生じたときは、その日から5日以内に保険者に被保険者資格取得届(健康保険の届書は厚生年金の届書も兼ねることができることになっている)を提出しなければなりません。

被保険者となる時期は、一般的にいえば、その業務に使用されるに至った日ということになりますが、この場合に使用されるに至った日というのは、現実に業務に使用される状態となった日をいいます。

したがって、雇用契約を結んだ日、辞令を発せられた日は必ずしも使用されるに至った日、つまり、被保険者資格を取得する日と一致しません。

たとえば、被保険者となるべき者の郷里で雇用契約を締結しても、実際に就労するまでは労務の提供、報酬の支払いの関係はありませんので、その間は被保険者資格を取得することはできず、実際に就労した日から被保険者資格を取得することになります。

ご質問の場合、4月1日から出社することになっていても、入社直前に病気をし、現実に勤務したのが4月8日で、報酬も4月8日以降に支払われている場合には、4月8日を資格取得年月日と記入します。

これに対し、実際に勤務したのが4月8日であっても、4月1日から報酬が支払われている場合は、4月1日を記入します。

【平成4年:事例研究より】