女子社員が病気退職、夫の被扶養者となった場合でも継続療養は可能か【平成4年:事例研究より】

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女子従業員が私病にかかり健康保険で治療していますが、復職の見込みがたたず退職することになりました。

退職時の病気については5年間継続療養が受けられるわけですが、夫は他社で健康保険の被保険者になっています。

退職後、夫の被扶養者となった場合でも、継続療養が受けられるでしょうか。

夫の被扶養者として治療を受けることになるのでしょうか。

【福岡Y社】

ご質問の場合、資格喪失の際に療養の給付を受けておられますので、資格喪失の日の前日まで継続して1年以上の被保険者期間があれば、療養の給付開始日(初診日)から5年間は、その病気に限り、資格喪失後の継続療養を受けることができます。

被保険者期間が継続して1年以上あれば、資格喪失の日から10日以内に「継続療養受給届」を提出し、「継続療養証明書」の交付を受け、これによって保険診療(継続療養)を受けます。

この手続きにより、継続療養を受けている者が資格喪失の際に傷病手当金を受けていた場合には、引き続き傷病手当金の支給を受けることができます。

退職後、夫の被扶養者になったからといって、資格喪失後の継続療養が受けられないということはありません。

資格喪失の際にかかっていた病気については継続療養を受け、退職後新たに発生した病気については被扶養者として保険診療(家族療養費)を受けます。

継続療養の給付割合は、被保険者であったときと同様9割(一割負担)ですし、被扶養者に対する家族療養費は入院8割(2割負担)、通院7割(3割負担)ですから、被保険者期間が1年以上ある場合には、被保険者本人としての継続給付を受けないと不利になります。

もし、被保険者期間が継続して1年以上ないという場合には、資格喪失後の継続療養は受けられませんので、被保険者から被扶養者に資格を移転した日から、被扶養者として家族療養費を受けることになります。

資格喪失後の継続療養を受けることのできる期間は、療養の給付開始日(初診日)から5年間です。

資格を喪失してから5年間ではありません。

もちろん、継続療養の支給期間内であっても、病気がなおれば打ち切られます。

また、5年間の期間いっぱい受け、継続療養が打ち切られた後も、まだその病気が引き続いている場合には、被扶養者になっている以上、その後は被扶養者としての家族療養費が受けられます。

【平成4年:事例研究より】