予定日より1週間早く出産、残った7日分の出産手当金はどうなるか【平成4年:事例研究より】

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健康保険では、女子被保険者がお産したとき、産前42日、産後56日の出産手当金が支給されます。

出産予定日から42日前より休業に入ったところ、予定日より1週間早くお産したという場合、産前の出産手当金は35日分しか受給できなくなり、1週間(7日)分損することになるのでしょうか。

出産予定日とお産の日がずれた場合の扱いについてお教えください。

【東京・M社】

健康保険の出産手当金は、被保険者が分娩のため労務に服さなかった期間の生活費として支給されるものです。

出産手当金は、分娩の日前42日(多胎妊娠の場合においては70日)。

分娩の日以後56日以内において労務に服さなかった期間(欠勤した期間)に対して支給されます。

被保険者が労務可能の状態であってもとにかく分娩の日前42日、分娩の日以後56日以内で労務に就かなかった期間について、出産手当金が支給されます。

出産手当金の額は、1日について標準報酬日額の60%の額です。

ただし、労務に服さなかった期間に報酬が支払われるときは、出産手当金は支給ざれませんし、支払われる報酬が出産手当金の額より少ないときは、差額が出産手当金として支給されます。

出産手当金は、分娩の日前42日分娩の日以後56日、計98日分が支給されるということではありません。

この期間の範囲内で、労務に服さなかった期間分(日数分)が支給されます。

したがって、分娩予定日の42日前から休業し、分娩予定日より一週間(7日)早く出産した場合は、分娩の日前の出産手当金は35日分となります。

結果的には7日分が損したことになりますが、この7日はまた遡って考えますと、休業せずに働いて報酬を得ていたことになりますから、やむを得ないといえましょう。

分娩の日以後の出産手当金は、56日分となります。

分娩の日以後56日の支給期間は法定化されていますから、分娩の日前42日が、分娩が早くなったことにより短縮された日数を、分娩の日以後に追加して受給することもできません。

したがって、分娩予定の42日前から休業し、予定日より一週間(7日)早く分娩した場合は、分娩の日前35日、分娩の日以後56日の出産手当金となります。

また、実際の分娩が遅れた場合は、分娩の日前42日を超える前の期間には出産手当金は支給されません。

【平成4年:事例研究より】