定年迎え満額受給は2年先だが繰上げの年金はいくらくらいか【平成16年:事例研究より】

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今年、5月に定年を迎える従業員がいます。

年金の満額支給が62歳からなので、基礎年金の繰上げ受給を考えているようです。

仮に、雇用保険が切れたらすぐに繰上げを開始するとしたら、どの程度の金額が保証されますか。

【熊本・M社】

雇用保険の見直しで、定年者の所定給付日数の最高は、150日へ引き下げられました。

単純に計算すると5ヵ月ですが、手続きに要するタイムラグ、待期期間を考え、60歳7ヵ月目から繰上げ請求するという仮定でご説明します。

繰上げ請求した場合、満額支給の62歳に達するまで支給される年金は、報酬比例部分、繰上げ調整額、一部繰上げの老齢基礎年金の3つです。

加給年金は、62歳までお預けになります。

繰上げ支給の考え方は非常に複雑なのですが、62歳までもらえる金額はどの程度かという計算は、割合に単純です。

まず、報酬比例部分は、全額支給されます。

次に繰上げ調整額ですが、これは定額部分を前倒しでもらう分です。

本来なら、62歳から65歳まで3年間でもらえる分を、60歳7ヵ月から65歳まで4年半に均して受け取ります。

金額は、単純に3分の2に減ると予想されます。

繰上げ調整額=定額部分×(1?A/B)

A=一部繰上げ請求月から定額部分の支給開始年齢到達月の前月までの月数
B=一部繰上げ請求月から65歳到達月の前月までの月数

A=1年半=18月
B=4年半=54月

ですから、1年半前倒ししたときの繰上げ調整額は、
繰上げ調整額=定額部分×(1-18/54)=定額部分の2/3

予想通りの結果が出ました。

最後は、一部繰上げの老齢基礎年金の額です。
定額部分の3分の2が、繰上げ支給で支払われるので、老齢基礎年金は残りの3分の1を繰上げます。

ただし、老齢基礎年金については、繰上げた月数に1月当たり0.5%の減額調整率を乗じる決まりがあります。

4年半(54月)繰上げるので、減額調整率は27%(0.5%×54月)。つまり、受け取る老齢基礎年金は、繰上げた3分の1からさらに27%分を減らした額になります。

2/3×(1-27%)=24.3%。

こちらも、実際に計算式に当てはめて、検証してみます。

一部繰上げの老齢基礎年金=老齢基礎年金×A/B×(1-5/1000×B)

A、Bは先はどの定義と同じです。計算結果は老齢基礎年金の24.3%で、間違いありませんでした。

1年半の繰上げを行った場合、定額部分の3分の2(66.7%)と老齢基礎年金の24.3%の合計で、従来の定額部分の91%相当の年金を前倒しでもらうことができます。

【平成16年:事例研究より】

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