40歳以後15年加入してきた女子、退職すれば年金を貰えるか【平成4年:事例研究より】

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55歳になった女子です。

40歳のときから現在の会社に勤務し、現在も厚生年金に加入中です。

女子の場合、35歳以後に15年加入すれば、年金が受けられるということでした。

この4月でちょうど加入期間が15年になりました。

退職すれば年金がもらえるのであれば退職したい考えですが、いま退職しても、年金をもらうことができるでしょうか。

【千葉・S子】

老齢厚生年金は老齢基礎年金の上乗せ給付であり、原則として老齢基礎年金が支給されるときに、一体となって支給されるため、老齢基礎年金の受給資格期間を満たすことが必要です。

老齢基礎年金の受給資格期間は、原則として25年です。

将来的には、厚生年金の加入期間のみで受給資格期間を満たす場合であっても、25年の加入が必要となります。

旧制度の厚生年金では、厚生年金の加入期間20年で老齢年金が受けられました。

新制度への移行措置として、厚生年金に加入している人で昭和27年・4月1日以前に生まれた人は、厚生年金の加入期間20年で受給資格がつきます。

また、あなたのご指摘どおり、旧制度の厚生年金では、男子は40歳以・後、女子は35歳以後の厚生年金の加入期間が15年あれば、老齢年金が受けられるという中高齢の特例がありました。

この中高齢の特例は、昭和22年4月1日以前に生まれた人に適用されます。

あなたは、55歳になったとのことですから、昭和10年生まれと思われます。

あなたは中高齢の特例に該当し、35歳以後の厚生年金の加入期間15年で受給資格ができます。

ちょうど厚生年金の加入期間が15年になったとのことですから、いま退職されても受給資格はあるわけです。

ご指摘のとおり旧制度の厚生年金では、女子の場合、老齢年金を受けられる条件がそろっていれば、55歳から年金が受けられました。

しかし、女子の支給開始年齢は男子と同様60歳とするため、生年月日に応じて徐々に引き上げられています。

昭和9年4月2日から昭和11年4月1日までに生まれた女子の支給開始年齢は57歳です。

あなたは、退職すれば57歳から特別支給の老齢厚生年金が受けられます。

いま退職されても、受給は57歳からとなります。

退職した後、特別支給の老齢厚生年金を受けはじめるまでは、国民年金に加入しなければなりません。

【平成4年:事例研究より】