4週5休制を採用し46時間をクリアしているか、土曜休日を他の週に振り替える場合、就業規則で明示が必要か【平成4年:事例研究より】

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4月から1週の法定労働時間が46時間(猶予事業)とされていますが、この労基法の改正に伴い、当社は4週5休制で週46時間をクリアしています。

4週5休制で、第1週〜3週は週48時間、第4週は2日の休日(日曜、土曜)としていますが、この土曜休日を、就業規則の休日の振替え規定によって、他の週に振り替えることも可能でしょうか。

【青森・K工業】

4月から1週間の法定労働時間は44時間(猶予事業は46時間)になりました。

貴社は猶予事業で、週46時間が適用される事業場のようですから、|カ月単位の変形労働時間制を採用し、4週5休(第1週から第3週までは1日8時間×6労働日、第4週は1日8時間×5労働日)とすれば、8時間労働のままで週46時間がクリアできます。

4週5休を採用している場合、週に2日の休日がある週の休日のうち1日(たとえば土曜休日)を他の週に振り替えても、必ず毎週1日、日曜日の休日は確保されていますので、休日の規定との関係では問題はありません。

就業規則に、休日の振替えを必要とする場合、休日を振り替えることができる旨の定めがあれば、休日の振替えは可能です。

行政解釈は、「就業規則において休日を特定したとしても、別に休日の振り替えを必要とする場合、休日を振り替えることができる旨の規定を設け、これによって休日を振り替える前にあらかじめ振り替える日を特定して振り替えた場合は、当該休日は労働日となり、休日に労働させることにはならない」(昭23・4・19基収第1397号。

昭63・3・14基発第150号)としています。

就業規則に定める休日の振替え規定による休日の振替えは、法定休日もそれを上回る休日も可能です。

変形労働時間制により1日または週の法定労働時間を超えて労働させることができるのは、就業規則によってあらかじめ特定された日または週だけであり、それ以外の日や週は法定労働時間を超えて労働させることはできません。

このことは、休日の振替えを行った場合も同様です。

休日の振替えを行ったため、あらかじめ特定された週以外の週に、週の法定労働時間を超えて労働をさせることになれば、その超えた時間は時間外労働となり、割増賃金の支払いが必要となります。

4週5休制で、第4週の土曜日の休日を他の週に振り替えた場合、第4週は週40時間とされているのに、休日の振替えによって週48時間労働することになり、週の法定労働時間46時間を超える2時開か時間外労働となります。

この点について行政解釈(昭63・3・14基発第150号)は、 「問 4週5休制を採用している場合に、週2日休日がある週の休日を他の週に振り替えることは可能か。

」 「答 設例の場合、休日の規定との関係では問題はないが、たとえば1日の休日を他の週に振り替えた場合には、当該週2日の休日があった週に8時間×6日=48時間労働させることになり、あらかじめ特定されていない週に週46時間を超えて労働させることになりますので、2時間分は時間外労働となる」としています。

4週5休制で、その4週間の中で土曜休日を振り替えれば、4週間の総労働時間は同じになるわけですが、2時間が時間外労働となるわけです。

休日の振替えによって時間外労働になることを回避するには、その変形期間の開始前に休日の振替えを行い、それを明示しておく必要があるといえます。

【平成4年:事例研究より】