1日4時間の残業協定を組合としているが休日労働には効力が及ばないか【平成4年:事例研究より】

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当社は、過半数労働組合と残業協定を結び、1日4時間、月40時間、1年400時間、休日労働は2回と協定(男子)し、労基署に届け出ています1日4時間と協定しているのですから、休日労働でもそれを適用し、4時間の残業が可能となりませんか、休日労働の残業は違法と聞いてびっくりしています。

休日労働で残業はできなくなったのでしょうか。

【北海道・S社】

労基法では、時間外労働と休日労働とは別のものと考えており、「時間外労働9休日労働に関する協定届」(様式第9号)では、1日及び1日を超える一定の期間についての時間外労働の最高限度と、労働させることができる休日に欄を分けて協定することになっています。

休日労働については、労基法第35条の休日(法定休日)のうち、労働させることができる休日につき協定しなければなりませんが、三六協定の届出様式では休日労働の始業及び終業の時刻が記載事項とされており、休日労働の始業及び終業の時刻を協定しなければなりません。

協定した始業・終業の時刻で休日労働の枠が定まります。

三六協定は、労働者の団体意思が同意した範囲内で時間外・休日労働をさせても刑事上の責任を問われない(労基法違反に問われない)ための手続きですので、三六協定の内容は、使用者が適法に行わせることができる時間外・休日労働の枠を定めるものです。

いったん枠が設定された以上、この枠を超えて労働させることは許されないものであり、もし行えば違法な時間外・休日労働となります。

ご質問の場合、休日労働の始業・終業の時刻をどのように協定されているのか明らかでありませんが、平日の所定労働時間と同じに休日は労働の始業・終業の時刻を協定されているのであれば、協定した始業・終業の時刻を超える休日労働は許されず、もし超えれば違法となります。

1日が4時間という時間外協定は、休日労働にはその効力は及びません。

もし、休日労働についても平日と同様、4時間まで残業させるのであれば、それを見込んで、休日労働の始業・終業の時刻を協定しておかなければなりません。

休日労働の残業が違法となるのは、協定した始業・終業時刻を超える残業です。

もし、法定休日(労基法第35条の1週1日または4週4日)を上回る休日の出勤であれば、休日労働に該当しませんので、平日の労働と同様に評価されますが、その日の労働により週の法定労働時間を超えれば、超えた時間が時間外労働となります。

法定休日以外の出勤は、休日の規定の関係では問題なくても、時間外労働に注意する必要があります。

【平成4年:事例研究より】