振替休日を休めずに出勤、特定日を休日労働として扱うか【平成16年:事例研究より】

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就業規則において業務の都合により休日を振り替えることを明記しており、休日を振り替えるときは、原則として1週間以内の特定日を休日として指定することを定めています。

休日を他の日に振り替えることとし、1週間以内のある日を特定しましたが、ある社員が休めずに振り替えができず、そのままになった場合、特定日を休日労働として扱うのでしょうか。

【広島・S社】

休日の振替とは、あらかじめ休日として特定して定められた日を、他の労働日とチェンジして、休日を労働日とし、他の労働日を休日とすることです。

たとえば、日曜日が休日と定められている場合に、日曜日に労働させる必要が生じたとき、休日の日曜日と同じ週の木曜日をチェンジして、日曜日を労働日に、その代わり木曜日を休日とすることです。

就業規則などに休日を振り替えることができる旨規定されていれば、休日を振り替えることができます。

休日振替の結果、本来の日は労働日となり、振り替えた他の労働日が休日となりますので、休日に労働させたことにはなりません。

行政解釈は「就業規則において休日を特定したとしても、別に休日の振替を必要とする場合休日を振り替えることができる旨の規定を設け、これによって休日を振り替える前にあらかじめ振り替えるべき日を特定して振り替えた場合は、当該休日は労働日となり、休日に労働させることにならない」(昭23・4・19基収第1397号、昭63・3・14基発第150号)としています。

休日を振り替えたことによってその週の労働時間が1週間の法定労働時間(40時間)を超えるときは、超えた時間は時間外労働となります。

休日を他の日に振り替えることとし、1週間以内のある日を特定したわけですから、その特定した日が休日ということになります。

特定した振替休日は休ませなければならず、勝手に出勤することはできないものです。

出勤したことを考えますと、その日に出勤するよう指示されていたものと解されますので、その日の労働は休日労働としなければなりません。

ご質問では、休日労働の割増率をどのように定められているのか明らかではありませんが、日曜日(法定休日)3割5分増し、その他の休日(土曜休日など)2割5分増しと定められている場合には、日曜日を振り替えたものであれば135%の割増賃金を、土曜休日などを振り替えたものであれば125%の割増賃金を振替休日の労働に対して支払うことになります。

【平成16年:事例研究より】