トップ » 就業規則 » 就業規則の必要性と作り方(雛形)
当社は製造業ですが、能率向上という点で検討した結果、休憩時間を交替で与える案が出てきました。
とりわけ年末の業務多忙期においては交替休憩が合理的のようです。
労使協定を締結すれば可能ということですが、業務上必要な11月と12月の2ヵ月に限って、休憩時間を交替で与えることもできるのでしょうか。
【三重・H社】
労基法第34条は、労働時間が6時間超の場合45分、8時間超の場合は1時間の休憩時間を、1.労働時間の途中に与えること、2.事業場の全労働者に一斉に与えること、3.労働者に自由に利用させることを定めています。
事業の種類や業務の性質から休憩時間を一斉に与えなくてもよい事業もありますが、貴社は製造業ですから、一斉に与えなければなりません。
一斉休憩の適用事業でも、平成10年の改正前は所轄労基署長の許可を受けた場合、一斉に与えなくてもよいとされていましたが、平成11年4月1日から「所轄労基署長の許可」が「労使協定の締結」に改正されています。
同条第2項のただし書で、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との「書面による協定があるときは、この限りでない」と規定されています。
この限りでないとは、書面による労使協定がある場合には、休憩時間を一斉に与えなくてもよいということです。
休憩時間を一斉に与えない場合には、労使協定の締結が必要ですが、労使協定では1.一斉に休憩時間を与えない労働者の範囲2.当該労働者に対する休憩の与え方について定めなければなりません。
労使の自主的な話合いのうえ、職場の実情に応じた労使協定を締結することにより一斉休憩を適用除外とすることにしたものですから、業務多忙の年末2ヵ月に限って、休憩時間を交替で与えることも労使協定により可能です。
一斉に休憩時間を与えない労働者を、たとえば製造現場の労働者をA班、B班に分け、A班は午前11時30分から午後0時30分、B班は午後0時30分から午後1時30分などと協定します。
一斉休憩適用除外に関する労使協定は所轄労基署への届出が不要ですが、労基法第106条の規定により労働者への周知が必要です。
改正法施行前にすでに所轄労基署長の許可を受けている場合には、改めて労使協定を締結する必要はなく、許可に基づいて休憩時間を与えることで差し支えありません。
また従前に受けた許可が有効に存続するにもかかわらず、新たに労使協定を締結した場合、その協定は有効なものとされます。
なお、別表第1第4号(運輸交通業)、第8号(商業)、第9号(金融・広告業)、第10号(映画・演劇業)、第11号(通信業)、第14号(接客娯楽業)、官公署の事業は、一斉休憩が通用除外されています。
これらの事業は、労使協定がなくても交替休憩が実施できます。
【平成16年:事例研究より】