完全週休2日制をとっているが特定週に女子を土・日出勤させても4週4日の休日が確保されていれば問題ないか【平成4年:事例研究より】

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当社は、土曜、日曜を休日とする完全週休2日制となっています。

製造業では、女子の休日労働は禁止ですが、週2日の休日のうち、そのうちの1日に女子を出勤させても違法にならないと承知しています。

月末、納期の関係で、土曜、日曜の両日とも出勤させた場合、1週1日の休日がなくなるので違法となりますか。

4週4日の休日が確保されているので適法ですか。

【東京・M工業】

労基法第35条第1項は「使用者は、労働者に対して、毎週少なくとも1回の休日を与えなければならない」と規定しています。

毎週少なくとも1回の休日を与えるべきことを定め、週休日制を原則としながらも、その第2項で「4週間を通じて4日以上の休日を与える使用者」については、週休日制を適用しないことにしています。

工業的業種では、女子の休日労働は禁止ですが、この禁止されている女子の休日労働とは、労基法第35条に規定されている1週1回または4週4日の|法定休日の労働です。

したがって、完全週休2日制をとる場合には、週2回の休日のうちいずれかの日に女子を労働させたとしても、他の1日の休日が確保されている限り違法となりません。

この点、ご承知のとおりです。

「1週間とは、就業規則その他に別段の定めがない限り、日曜日から土曜日までのいわゆる暦週をいうものであること」(昭63・1・1基発第1号)とされており、毎週という「週」の意味も、就業規則に「月曜日から日曜日」、「木曜日から水曜日」のように定めがあればそれによりますが、特別の定めがない場合は日曜日から土曜日までの暦週を意味します。

したがって、暦週による場合、完全週休2日制で、月末の土曜日、日曜日の休日の両日に女子を出勤させたとしても、土曜日は前の週、日曜日は次の週となり、いずれの週も週I回の休日(前の週は日曜日、次の週は土曜日)が確保されていますので、違法となりません。

休日労働の問題はなくても、その日を働かせることによって、週の法定労働時間を超えることになれば、超えた時間が時間外労働となります。

行政解釈は「法第35条以外の休日の労働により週の法定労働時間を超える場合には、時間外労働の割増賃金の支払を要するから念のため」(昭・23・4・5基発第537号、昭63・3・14基発第150号)としています。

1日8時間労働で、完全週休2日制で土曜日、日曜日が休日であるとすると、土曜日に8時間の出勤をさせますと、この週の労働時間は合計48時間(8時間×6日)となり、週の法定労働時間44時間を超えた4時間が時間外労働時間となります。

日曜日も出勤させれば、その週の土曜日が休日であっても、その週は48時間労働させたことになり、週44時間を超えた4時間が時間外労働となります。

工業的業種の女子の時間外労働は、1週6時間が限度とされていますので、その週(月〜金)にすでに6時間の時間外労働を行っていた場合には、土曜休日の出勤は4時間以内にとどめなければなりません。

また、日曜日に女子を出勤させた場合には、金曜日の4時間で週の法定労働時間44時間に達し、4時間が時間外労働となりますので、その週の時間外労働は2時間以内にとどめなければなりません。

土曜日、日曜日のいずれに女子を出勤させても、他の1日が休日ことしで確保されている以上、休日労働の問題はありませんが、時間外労働に注意を要します。

【平成4年:事例研究より】