パートの就業規則を作成、添付する意見聴取は非組合員のパート代表か、労組の代表者になるか【平成4年:事例研究より】

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当社は、随時パートタイマーを採用してきており、最近では全従業員の3割近くを占めるようになっています。

そこで、パート専用の就業規則を作成したわけですが、所轄労基署に届け出るに当たっては、パートの過半数代表者の意見を聴取して、その意見書を添付すればよいのでしょうか。

当社には、過半数労働者で組織する労働組合はありますが、パートは非組合員となっており、労働組合には加入していません。

必要な手続きをお教えください。

【東京・K社】

パートタイマーなど一部の労働者を別扱いする場合、行政解釈は、「同一事業場において、法第3条に反しない限りにおいて、一部の労働者についてのみ適用される別個の就業規則を作成することは差し支えないが、この場合は、就業規則の本則において当該別個の就業規則の適用の対象となる労働者に係る適用除外規定及び委任規定を設けることが必要である。

なお、別個の就業規則に定めた場合には、当該2以上の就業規則を合したものが法第89条の就業規則となるのであって、それぞれ単独に同条に規定する就業規則とな・るものではない」(昭63・3・14基発第150号)としています。

パートタイマーに適用される別個の就業規則も就業規則の一部となり、その二つを合わせたものがその事業場の就業規則となります。

就業規則の作成、変更については、労働者の団体的意見の聴取、所轄労基署への届出、就業規則の労働者への周知の手続きが必要です。

意見を聴く相手方は、「当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合にはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合は労働者の過半数を代表する者」です。

貴社には、パートタイマーを含め全労働者の過半数で組織する労働組合がありますので、パートタイマー専用の就業規則であり、パートタイマーは非組合員であっても、過半数労働組合の意見を聴かなければなりません。

過半数労働組合の意見を聴くことで法的には足ります。

総合的パートタイム労働対策では、「パートタイム労働者が労働組合に加入している例は少ないこと等を考えると、何らかの方法でパートタイム労働者の意見を聴く機会が確保されることはもとより望ましいことである」とし、意見聴取の方法として、過半数労働組合であらかじめパートタイム労働者の意見を聴く機会を持ち、その意見を踏まえた意見を使用者に提出するか、使用者が、就業規則案の提示・回覧、説明会の開催等によって、パートタイム労働者の意見を聴くようにすることが望ましいとしています。

【平成4年:事例研究より】