本人が資格喪失すると、妻の分も負担が発生というが本当か【平成15年:事例研究より】

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私はそろそろ62歳になり、満額の年金をもらえるようになるので、嘱託の再契約はしないで、職業生活から引退しようかと考えています。

仲間内の話では、完全に退職すると、妻の分の年金保険料を払う義務があるというのですが、本当でしょうか。

【埼玉 S男】

サラリーマンの奥さんは、年金の保険料を払う必要がないと一口にいいますが、正確には、①夫が被用者年金の被保険者、②妻の年齢が20歳以上60歳未満、③妻の年収が130万円未満という3つの要件を満たす必要があります。

この場合、申請すれば奥さんは国民年金の第3号被保険者になり、自分自身は保険料を納める義務を負いません。

お尋ねのケースでは、ご主人は、定年後も嘱託契約で被保険者資格を継続し、奥さんが第3号被保険者になっておられるのだと思います。

ご主人が62歳に到達した時点で、奥さんの年齢が何歳になるのか、それが重要な問題になります。

仮に退職前に奥さんが60歳に到達するとすれば、その時点で国民年金の被保険者でなくなりますから、保険料支払いの義務は生じません。

しかし、60歳未満の場合には、国民年金の第1号被保険者として1万3,300円の保険料を納付するか、奥さん自身が働きに出て厚生年金の被保険者になるか、2つに1つの選択となります。

ご主人が退職して収入がなくなるときに、奥さんの保険料免除が消滅するのは、不合理のようですが、仕方ありません。

仮に62歳以降も嘱託契約を延ばせば、在職老齢の規定で、年金が増えるのに比例してカット額も大きくなりますが、奥さんの第3号被保険者資格は継続します。

【平成15年:事例研究より】