健保が利かない全額負担のサービスにはどんなものがあるか【平成15年:事例研究より】

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差額ベッドなどいわゆる特別料金については、健保は使えず、全額自己負担だと聞きます。

具体的には、どんな項目が特別料金に分類され、どのような形で費用清算されているのでしょうか。

【熊本 F社】

健保は、病院で払った費用のすべてをカバーするものではありません。

健保の対象にならない特別なサービスを受けた場合、患者が全額を負担する必要があります。

ご質問にもあった特別室利用の場合を例として、特別料金の仕組みを簡単にご説明しましょう。

1人部屋など快適な環境を患者や家族が希望する場合、それに応える施設を備えた医療機関では、特別料金を徴収することができます。

特別料金の対象となる特別療養環境室とは、次のすべての条件を満たすものです。

1. 1病室の病床数が4床以下(個室から4人部屋まで) 2. 病室の面積が1人当たり6.4平方メートル以上 3. 病床ごとのプライバシーの確保を図るための設備を備えている 4. 少なくとも①個人用の私物の収納設備、②個人用の照明、③小机等および椅子がある こうした特別な部屋を利用した場合、特別料金を除く医療費についてのみ、健保の一部負担金と食事の負担を支払い、特別料金はそれと別個に全額負担する形を採ります。

このほか、特別料金の例としては、総入れ歯や前歯の金冠があります。

総入れ歯の床部には、通常、スルフォン樹脂などの樹脂床が使われますが、患者が希望すれば、金属床とすることもできます。

このときは、スルフォン樹脂と金属床との差額分を、特別料金として患者が全額負担します。

つぎ歯や差し歯のケースでは、金合金や白金合金と金銀パラジウムとの差額が特別料金となります。

診療所などからの紹介状を持たないで200床以上ある病院で初診を受けたときの加算料金、予約診療を受けるときの予約料なども、患者が全額負担する必要があります。

【平成15年:事例研究より】