心臓移植で給付受けたいが特殊な手術には保護及ばないか【平成15年:事例研究より】

トップ » 健康保険 » 患者負担

最近、脳死者からの心臓移植が、ニュースでひんぱんに取り上げられています。

こういう特別な手術を受けたときも、健保の利用が可能なのでしょうか。

【福島 M社】

健保を使える病院で治療を受けても、すべてが給付の対象になるわけではありません。

医学的効果が確認されていない治療は、すべて患者負担となるケースもあります。

しかし、高度先進医療でも一定の条件のもとで、健保から給付を受けることは可能です。

高度先進医療は、厚生労働大臣が承認したものに限られますが、このなかには脳死体からの心臓移植手術や肝臓移植手術も含まれています。

高度先進医療を提供できるのは、高度な技術スタッフと施設を保有すると認定された医療機関(特定承認保険医療機関)です。

脳死者からの臓器移植のニュースをみますと大学病院がほとんどですが、実際、特定承認保険医療機関の大多数は大学病院です。

高度先進医療をうけたときの扱いですが、まず診療にかかった費用を、健康保険と共通する部分と高度先進医療の技術料に2分します。

患者は共通部分について通常の健保と同じだけの額を負担し、それに加え先進医療分を全額支払います。

★高度先進医療の例

  • 脳死体からの心臓移植手術
  • 呼吸機構改善の胸腔鏡下手術
  • 先天性免疫不全症の早期診断
  • 遠心分離法による白血球除去で潰瘍性大腸炎治療
  • 磁気刺激法による神経系運動障害の診断
  • レーザーによる子宮粘膜下筋腫の蒸散・切除
  • 先天性血液凝固異常症の遺伝子診断
  • 脳内視鏡装置による中枢神経系疾患の診断治療
  • 微小肺腫瘍の正確な診断
  • 脳死体からの肝臓移植手術
  • 経皮的レーザー椎間板ヘルニア減圧術(蒸散術)

【平成15年:事例研究より】