任継者が出産した場合、子は被扶養者になるか【平成15年:事例研究より】

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出産を控えて、早々と退職願を出してきた女性従業員から、質問を受けました。

保険料等を考え、任意継続被保険者の申請をするつもりですが、子どもが生まれた場合、その子は被扶養者になるのかというのです。

退職後に家族が増えたときも、健保上の扱いは同じだと思いますが、何か問題がありますか。

【京都 N社】

任意継続被保険者制度とは、資格を喪失後20日以内に社会保険事務所(健康保険組合)に申請することにより、引き続き被保険者の資格を得る仕組みです。

退職後は、事業主負担分も含めて本人が保険料を納付する義務を負うと同時に、基本的に在職の被保険者と同様の権利を得ます。

ですから、任意継続となった後も、子供が生まれるなど、新たに被扶養者の要件を満たす家族が増えれば、その届出をして、被扶養者とすることができます。

退職後は、事業主との関係は消滅するので、健康保険法施行規則第63条では、「被保険者が任意継続被保険者であるときは、事業主を経由することを要せず」と定めています。

本人が居住地を管轄する社会保険事務所に直接申請するのが原則で、貴社がタッチする必要はありません。

しかし、子供が生まれたら、必ず被扶養者届を提出すべきとは限りません。

退職して任意継続被保険者になった後は、収入があっても少額というのが一般的でしょう。

この場合、夫が健保の被保険者なら、夫の被扶養者として申請するのが正解です。

しかし、夫が自営業者であるなど国民健康保険加入のときは、妻の被扶養者として申請することになります。

【平成15年:事例研究より】