過半数代表者を選出するとき管理者を除外してよいか【平成16年:事例研究より】

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当社は労働組合はありませんので、労働者の過半数を代表する者と時間外・休日労働協定(36協定)を締結して届け出ています。

労基法第41条第2号の管理監督者は、過半数代表者としての適格性を有しないとされていますので、管理監督者は労働者の範囲から除外して、過半数代表者を選出するのでしょうか。

【広島・T社】

36協定締結の労働者側の当事者については、法によりその代表となる者が厳格に定められています。

労基法第36条は「使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者と書面による協定をし」と規定し、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合はその労働組合ですが、労働組合が全然ない場合また労働組合があっても労働者の過半数で組織されていない場合には、「労働者の過半数を代表する者」(過半数代表者)が36協定の当事者となります。

労働者の範囲については、労基法第41条第2号の管理監督者、同条第3号の監視断続的労働従事者で行政官庁の許可を受けた者、年少者など時間外・休日労働を考える余地のない者を含めた全労働者と解すべきか、36協定の効力が及ぶ労働者に限定されると解すべきかが問題ですが、行政解釈は「労基法第36条第1項の協定は、当該事業場において法律上又は事実上時間外労働又は休日労働の対象となる労働者の過半数の意思を問うためのものではなく、同法第18条、第24条、第39条及び第90条におけると同様、当該事業場に使用されているすべての労働者の過半数の意思を問うためのものである」(昭46・1・18基収第6206号、平11・3・31基発第168号)としています。

その事業場に使用されているすべての労働者ですから、労基法第41条第2号の規定に該当する者、たとえば、管理職手当または役付手当などの支給を受け、時間外などの割増賃金を支給されない者であって、労働組合との関係においては、非組合員として扱われている者も労働者のなかに含められます。

過半数代表者は、1.法第41条第2号に規定する監督又は管理の地位にある者でないこと、2.法に規定する協定等をする者を選出することを明らかにして実施される投票、挙手等の方法による手続により選出された者であること―の2要件を満たす必要があります。

管理監督者は、過半数代表者として36協定を締結する当事者となることはできませんが、過半数代表者の労働者の数に入れてその過半数代表者を選出します。

したがって、管理監督者を過半数代表者として選出することはできませんが、その選出に当たっては、投票などの権利を有していますので、管理監督者を含めて行う必要があります。

【平成16年:事例研究より】