季節労働者雇って人数が増えたが時間外協定を超える人数の残業は違法か【平成16年:事例研究より】

トップ » 36協定 » 36協定とは

当社では、4月1日から1年間を有効期間とする時間外労働協定(36協定)を過半数労働組合と協定し、所轄労基署へ届け出ています。

1月に季節労働者を雇用しましたので、協定の労働者数をオーバーすることが考えられます。

協定した労働者数を超える人数に時間外をさせると違法となるのでしょうか。

【神奈川・Y社】

時間外・休日労働協定(36協定)は、労基法施行規則第16条により、時間外または休日に労働させる必要のある具体的事由、業務の種類、労働者の数、1日及び1日を超える一定の期間についての延長することができる時間、または労働させることができる休日について協定しなければなりません。

一定の期間は、1日を超える3ヵ月以内の期間(1週間、2週間、4週間、1ヵ月、2ヵ月、3ヵ月のうち一つ以上)及び1年間について協定しなければなりません。

また、休日労働については、労基法第35条の規定による休日のうち労働させることができる休日について協定しなければなりません。

施行規則第16条は、36協定に関する最小限の必要協定事項を定めているものですから、ご質問にある労働者数についても、必ず協定しなければなりません。

36協定は、労働者の団体意思が同意した範囲内で時間外・休日労働をさせても刑事上の責任を問われないための要件ですので、その内容は、使用者が適法に行わせることができる時間外・休日労働の枠を定めるものです。

したがって、いったん枠が設定された以上、この枠を超えて労働させることは許されないものであり、もし行えば違法な時間外労働、休日労働となります。

1日について協定された時間外労働の限度を超えて時間外労働をさせた場合のほか、一定期間についての時間外の限度を超えて時間外労働をさせれば、その時点で違反となります。

行政解釈は「一定期間の延長の限度について協定をした場合に、これに違反して時間外労働をさせれば、当然法違反となること」(昭53・11・20基発第642号)としています。

労働者数については、時間外・休日労働をさせることができる労働者の数について協定するものですから、厳密な意味では協定の人員内におさめなければなりません。

たとえば、職種、人員を制限して協定した場合には、その範囲内に限られます。

しかし、ご質問のように36協定締結後に、若干の労働者の数の変更があったとしても、特段の事情がない限り、その36協定によって時間外労働をさせてもよいと考えられます。

季節労働者の雇用などにより、若干、協定の労働者数を超えても、直ちに違反とされるべき性質のものではないと思われます。

協定した時間外労働の時間を守らなかった場合と異なります。

ただし、時間外労働をさせる人員が大幅に増加し、協定人員が無意味となっている場合には、改めて36協定を締結し直す必要があるといえます。

【平成16年:事例研究より】

採用に強い大阪の社労士:大平一路