平均賃金の半額以内なら、数ヵ月の減給可能か【平成16年:事例研究より】

トップ » 賃金 » 賃金について

労基法第91条によると、減給の制裁は1回の額が平均賃金の1日分の半額を超えてはならないとされていますが、平均賃金の半額以内なら、同一事案について2ヵ月以上(たとえば数ヵ月)にわたって減給することができるのでしょうか。

【鹿児島・M社】

減給の制裁とは、職場規律に違反した労働者に対する制裁として、本来ならばその労働者が受ける賃金のなかから一定額を差し引くことをいいます。

制裁としての減給は、1回の減給事由につき行われる額が平均賃金の1日分の半額を超え、1賃金支払期に発生した数事案に対する減給の総額が、その賃金支払期の賃金総額の10分の1を超えてはならないという制限を受けます。

1回の事案とは、就業規則所定の減給の制裁の対象となる事案が1回ということです。

減給の制裁の対象となる事案が1回であれば、これに対する減給は、最高でも平均賃金の1日分の半額以内でなければならないというものです。

1事案について、平均賃金の1日分の半額を数回に分け、数ヵ月にわたって減給することはできますが、平均賃金の1日分の半額を数ヵ月にわたって繰り返すことはできません。

【平成16年:事例研究より】