当社の勤務時間は午前8時から午後5時(休憩1時間)となっています。
所定勤務を終了して帰宅している者を、緊急業務が生じたため呼出しをかけ、その者は午後9時に出勤し翌日の午前8時まで勤務しました。
その後帰宅させ、翌日の所定勤務を休みとしました。
この場合、午前0時から8時までをその日の勤務の変更とみなすことはできないでしょうか。
【宮城・T社】
1日8時間を超える時間外労働には、2割5分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければなりません。
また、午後10時から午前5時までの労働(深夜労働)には、2割5分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければなりません。
午前8時から午後5時の所定勤務を終了して帰宅していた者が、再出勤して午後9時から翌日の午前8時まで勤務したわけですが、午後9時からの勤務もその日の勤務となります。
その勤務が継続して翌日に及んだ場合には、「継続勤務が2暦日にわたる場合には、たとえ暦日を異にする場合でも1勤務として取り扱い、当該勤務は始業時刻の属する日の労働として、当該日の『1日』の労働とすること」(昭63・1・1基発第1号)とされています。
したがって、午前0時をもって分断し、それ以降の労働時間を翌日の労働と解すことはできず、前日の労働時間の延長と解さなければなりません。
前日の午後9時から午後12時までの労働はもちろん、翌日の午前0時以降の労働も時間外労働となります。
午後9時から翌日の午前8時までの労働には時間外割増賃金を、さらに午後10時から午前5時までの労働には深夜割増賃金を支払わなければなりません。
具体的には、午後9時から10時までの1時間は125%、午後10時から午前5時までの7時間には150%、午前5時から8時までの3時間には125%の割増賃金となります。
なお、その労働が継続して翌日の所定労働時間の始業時刻(ご質問の場合は午前8時)以降に及んだ場合には、始業時刻以降の労働には割増賃金を支払う必要はありません。
翌日の午前8時からの勤務を休ませても、その日の所定勤務の変更とみなすことはできません。
代休的性格のものと考えられます。
代休を与えた場合でも現に行われた時間外労働が代休によって時間外労働でなくなるものではありません。
代休の日は就労しているわけではありませんから、就業規則などの定めで無給とすることができます。
無給の定めであれば、別途、その日の賃金(100%)1日分を差し引くことができます。
【平成16年:事例研究より】