当社の労働時間は1日7.5時間、休日は日曜日、祝祭日のほか、月2回の土曜休日となっています。
法定休日は週1回の日曜日のみと理解していますが、法定休日以外の祝祭日、土曜休日に出勤させた場合、割増賃金は休日出勤手当(当社では休日出勤として支払っている)ではなく、時間外手当として支払うべきなのでしょうか。
週46時間が適用される当社(猶予事業)では、現在の扱いでよいと思いますが、週44時間、週40時間となった場合の割増賃金(休出か、時間外か)の考え方についてお教えください。
【青森・T社】
労基法上、休日労働として割増賃金を支払わなければならないのは、労基法第35条に規定する1週1回または4週4日の法定休日の労働です。
法を上回って与えられている休日(ご質問の国民の祝日、週休2日制による土曜休日)については、その日に出勤させても、休日労働に該当しませんから、割増賃金を支払う必要はありません。
しかし、割増賃金を支払う必要はなくても、休日に働かせるわけですから、その労働に対する賃金は支払わなければなりません。
少なくとも通常の労働日の1日当たり賃金を支払わなければなりませんが、就業規則などで法定休日以外の休日にも割増賃金を支払う定めになっていれば、割増賃金を支払わなければなりません。
このように、労基法第35条の法定休日以外の休日の労働に対しては、法的には割増賃金を支払う必要はありませんが、その日を働かせることによって、週の法定労働時間を超えることになれば、その超える時間は時間外労働となり、時間外労働の割増賃金を支払わなければなりません。
貴社は猶予事業で週46時間の適用とのことですから、国民の祝日、週休2日制の土曜休日に出勤させても、その週の労働時間は45時間(7.5時間×6日)となり、週の法定労働時間46時間を超えませんので、時間外労働となりません。
したがって、法定休日以外の国民の祝日、土曜休日に出勤させた場合、割増賃金を休日出勤手当として支払うか、時間外手当(超過勤務)として支払うかは自由です。
たとえ時間外手当として支払っても、その時間は労基法上の時間外労働となるものではありません。
週44時間、週40時間が適用されるようになった場合には、土曜休日の出勤で週の法定労働時間44時間を超えた1時間が、また週の法定労働時間40時間を超えた5時間が時間外労働となります。
この場合、休日出勤として割増賃金を支払っても、割増賃金の支払いという点では問題はありませんが、週の法定労働時間を超えた時間は、時間外労働として三六協定の時間外労働の限度時間に関連してきます。
週40時間が適用されるようになった場合を考えると、時間外労働(時間外手当)で処理された方がよいように思われます。
【平成4年:事例研究より】