嘱託社員をヘルプで使用したが、守衛業務は割増が不要か【平成15年:事例研究より】

トップ » 残業 » 割増賃金

他社を定年退職した人を、常勤の嘱託として雇用し、守衛が年休のときは不定期に守衛業務に就いてもらう契約です。

勤務時間は午前9時〜午後5時30分(休憩1時間)ですが、守衛の勤務は午後8時までです。

守衛を代行する日は2時間30分のオーバータイムとなりますが、許可を受けた守衛業務を行うのですから、100%の賃金を支払うことでよいでしょうか。

【宮城 M社】

労基法第41条第3号は、「監視または断続的労働で、使用者が行政官庁の許可を受けた者」には、労働時間、休憩、休日に関する規定を適用しないことにしています。

監視に従事する者とは、一定の部署にあって監視を本来の業務とし、常態として身体または精神的緊張の少ない者をいい、断続的労働に従事する者とは、本来の業務が間歇的であって手待時間が多く実作業時間の少ない者をいいますが、実際には判断がむずかしく、所轄労基署長の許可が必要です。

手待時間と実作業時間の比率が認定の際の重要要件で、実作業時間の合計より手待時間の合計の方が多く、かつ実作業時間の合計が8時間を超えないことが許可基準となりています。

監視断続的労働の許可を受けた守衛は、一般従業員の勤務時間よりも長く、その勤務時間が11時間であっても、時間外労働の割増賃金を支払う必要はありません。

賃金は、11時間という守衛の勤務について決められているでしょう。

しかし、常態として守衛業務を行わない者が、守衛の欠勤などにより不定期に守衛業務を行ったとしても、守衛を本来の業務としている者と同じに取り扱うことはできません。

行政解釈は、「法第41条第3号の許可を受けた者については、労働時間、休憩及び休日に関する規定がすべて除外されるのであるから、その勤務の全労働を一体としてとらえ、常態として断続的労働に従事する者を指すのである。

したがって、断続的労働と通常の労働とが1日の中において混在し、又は日によって反覆するような場合には、常態として断続的労働に従事する者には該当しないから、許可すべき限りでない」(昭63・3・14基発第150号)としています。

通常の勤務を行っている者が、通常の業務終了後に引き続き守衛業務に就いたり、必要に応じて丸1日守衛業務に就いたとしても、その者は常態として監視断続的労働に従事する者には該当せず、労働時間、休憩、休日に関する規定が適用されます。

ご質問では、「守衛を代行する日は、2時間30分のオーバータイム」とあり、所定労働時間7時間30分を超えた時間には、時間外労働として、割増賃金(125%)が支払われているようですから、その2時間30分には割増賃金(125%)を支払わなければなりません。

監視断続的労働の許可を受けた労働者が、所定労働時間を超えて労働した場合、超過時間に通常の賃金(100%)を支払えばよいのと異なります。

【平成15年:事例研究より】

社労士先生限定!今日から取り組めて売上を伸ばす方法。初期費用ゼロでリスクなし