同じ週に土曜出勤と早退がある場合、週40時間を超えた時間に割増でよいか【平成16年:事例研究より】

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当社は午前8時30分〜午後5時30分(昼休み1時間)の実働8時間で、土曜日、日曜日が休日となっています。

土曜休日に出勤させた場合には125%(日曜日は135%)の割増賃金を支払っています。

土曜休日に出勤(8時間)させたのですが、同じ週に午後1時30分に早退(4時間の不就労)した者があり、この者は週44時間しか働いていませんが、40時間を超えた4時間に割増賃金(125%)をつけることでよいでしょうか。

【神奈川・K社】

労基法は、法定労働時間を1週40時間、1日8時間と定め、1週40時間、1日8時間を超える時間外労働に対しては、2割5分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければなりません。

また、毎週少なくとも1日(または4週4日)の休日を与えることを義務づけ、この法定休日の労働に対しては、3割5分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければなりません。

135%以上の割増賃金を支払わなければならない休日労働とは、労基法第35条に規定されている1週1日の法定休日の労働ですから、週休2日制により日曜日と土曜日を休日としている場合、土曜休日に出勤させても、日曜日が休日として確保されている限り、法定休日労働とはならず、休日労働の割増賃金(135%)を支払う必要はありません。

しかし、法定休日以外の休日の労働であっても、その日を働かせることによって週の法定労働時間40時間を超えることになれば、超えた時間が時間外労働となり、時間外割増賃金を支払わなければなりません。

1日の労働時間は8時間ですから、土曜休日に1日の出勤(8時間)をさせても、同じ週に早退で4時間の不就労時間があれば、土曜日の4時間は40時間の範囲内で時間外労働となりませんので、通常の賃金(100%)を、40時間を超えた4時間に時間外労働の割増賃金(125%)を支払えば足りることになります。

法定休日以外の休日の労働でも、週40時間を超えた時間には割増賃金の支払いが必要となるため、就業規則などで、135%の割増賃金を支払う休日を日曜日とし、土曜休日や祝日に125%の割増賃金を支払う旨定めている場合が多いといえます。

ご質問の場合、土曜休日の労働には125%の割増賃金を支払う定めになっていますので、その定めにより早退の4時間の不就労時間があっても土曜休日の労働8時間に125%の割増賃金を支払わなければなりません。

なお、欠勤、遅刻、早退の不就労時間の賃金を差し引く定めであれば、早退の4時間分の通常の賃金(100%)を差し引くことができます。

【平成16年:事例研究より】