勤務が長引いて日曜の午前0時となった場合、それ以降は35%増か【平成15年:事例研究より】

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当社では、休日労働の割増率は法定休日を日曜日とし35%、その他の休日(土曜日、祝日など)を25%としています。

かりに土曜日の勤務が長引き日曜日の午前0時以降に及んだ場合、たとえば日曜の午前2時に至ったという場合、前日の1勤務の延長でも、日曜日の午前O時から2時までの2時間に対して、35%増しの割増賃金を支払うのでしょうか。

【神奈川 M社】

休日労働の割増率を週1回の法定休日35%、その他の休日25%とする場合、行政解釈は「就業規則その他これに準ずるものによ63割5分以上の割増賃金率の対象となる休日が明確になっていることが望ましい」(平6・1・4基発第1号)としています。

35%増しを支払う法定休日を日曜日と定めていますので、日曜日の労働には135%の割増賃金を、また、その他の休日は35%増しと定めていますので、土曜日の労働には125%の割増賃金を支払うことになります。

労働時間の関係では、「継続勤務が2暦日にわたる場合には、たとえ暦日を異にする場合でも1勤務として取り扱い、当該勤務は始業時間の属する日の労働として、当該日の『1日』の労働とすること」(昭63・1・1基発第1号)とされていますが、休日とは「午前0時から午後12時までの暦日を指す」(昭23・4・5基発第535号)とされ、原則として暦日休日制をとっています。

労働時間の関係では1勤務として取り扱われても、休日はあくまで暦日単位で適用されることから、割増賃金の支払い方法としては、土曜日の労働が長引き、午前0時を過ぎて日曜日に及んだ場合には、日曜日の午前0時以降は35%増しの割増賃金を支払うことになります。

行政解釈は、「法定休日である日の午前0時から午後12時までの時間帯に労働した部分が休日労働となる。

したがって、法定休日の前日の勤務が延長されて法定休日に及んだ場合及び法定休日の勤務が延長されて翌日に及んだ場合のいずれの場合においても、法定休日の午前O時から午後12時までの時間帯に労働した部分が3割5分以上の割増賃金の支払いを要する休日労働時間になる」(平6・5・31基発第331号)としています。

したがって、土曜日の労働が長引き午前O時を過ぎて日曜日に及んだ場合には、日曜日の午前O時以降は3割5分増しを支払う休日労働となります。

土曜日の午後10時までは25%、午後10時から12時までは5 0% (深夜25%)、日曜日の午前0時から2時までは、60%(休日労働35%、深夜25%)増しの割増賃金を支払うことになります。

【平成15年:事例研究より】