職長教育の計画作成、実務のポイント教えて【平成16年:事例研究より】

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当社では、安全衛生教育の実施計画を作成することになりました。

そこで実施計画を作る際の留意点、特に職長等を対象とした教育について実務的なポイント、労務管理上の注意点などを教えてください。

【北海道・H社】

安全衛生教育は、あらゆる分野において、職業生活の各段階に対応してそれ.ぞれ必要な教育が実施されることが大切です。

特に、労働安全衛生法では、新たに職務に就くこととなった職長その他の作業中の労働者を直接指導または監督する者に対する安全衛生教育等の一定の安全衛生教育について事業者に実施を義務づけています。

労働安全衛生法では、一般的には、各事業者に安全衛生教育計画の策定を義務づけてはいませんが、安全衛生教育の実施計画の作成に関することは、安全衛生委員会の調査審議事項であり(労働安全衛生規則第21条第2号、第22条第2号)、その意味で、安全衛生委員会を設置しなければならない事業場にあっては、安全衛生教育の実施計画を策定することが期待されているということができます。

また、実施計画を策定することにより、安全衛生教育が円滑に実施でき、かつ、効果的な結果を得ることができます。

年間の実施計画には、教育の対象者、実施日時、実施場所、講師等について盛り込んで作成しますが、その際、職長等に対する安全衛生教育については、講師が講述する講義方式よりも事例等を引用してお互いに討議し、その過程で安全衛生についての見方、考え方等を身に付けさせるほうがはるかに適していることから、職長等に対する安全衛生教育は原則として討議方式とされ、また、受講者数についても一定の人数(15人)以内とされている点に留意することが必要です(昭47・9・18基発第601号の1)。

労働安全衛生法第60条の職長等に対する安全衛生教育の教育時間については、教育事項ごとに次のように規定されています(労働安全衛生規則第40条第2項)。

(1)作業方法の決定および労働者の配置に関すること 3時間以上 (2)労働者に対する指導または監督の方法に関すること 3時間以上 (3)作業設備および作業場所の保守管理に関すること 2時間以上 (4)異常時等における措置に関すること 2時間以上 (5)その他現場監督者として行うべき労働災害防止活動に関すること 2時間以上 なお、教育は、本条に定める時間連続して行うのが原則ですが、やむを得ない場合には、長期にわたらない一定の期間内において、分割して実施して差し支えないものであることとされています(昭47・9・18基発第601号の1)。

安全衛生教育と労働時間との関係については、労働安全衛生法第60条の職長等に対する安全衛生教育は、労働者がその業務に従事する場合の労働災害の防止を図るため、事業者の責任において実施されなければならないものであり、したがって、所定労働時間内に行うのを原則とすることとされ、また、その実施に要する時間は労働時間と解されるので当該教育が法定時間外に行われた場合には、当然割増賃金が支払われなければならないとの行政解釈が示されています。

さらに、本条の教育を企業外で行う場合の講習会費、講習旅費等についても、同様の趣旨から、事業者が負担すべきものであることとされています。

これは、その教育については、往々にして、労働災害防止団休、労働基準協会等の企業外の教育実施機関に該当労働者を派遣して受講させることが一般的であるところから、念のために述べられたものです(昭47・9・18基発第602号)。

その他、安全衛生教育の実施計画を作成するに当たって留意すべき点としては、1.経営首脳者、管理監督者、作業者等企業における各層に対してそれぞれ立場に応じた教育を行うこととし、これらの各種の安全衛生教育は、相関連して総合的な観点から実施することが効果的であることから法定の安全衛生教育および法定外の安全衛生教育を含めて、安全衛生教育の全体について体系化を図ること、2.中長期の計画を踏まえて年間の実施計画を作成すること、3.技術革新、就業形態の多様化等の労働環境の変化に対応した安全衛生教育を行うこと、4.その他、教育を実施した場合には、その記録を作成し、保存すること。

教育事項については必要な知識、経験を有し、教育技法にも明るい講師の選定やよい教材の作成等にも留意することが大切です。

【平成16年:事例研究より】

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