離職理由で支給制限と聞いたが、どんな場合か【平成15年:事例研究より】

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雇用保険の基本手当を受給する際に、一定の理由で離職した場合などには、基本手当の支給が制限されると聞きました。

どのような場合に制限されるのか、教えてください。

【富山 G社】

給付制限は、雇用保険制度による失業者の所得保障が正当な受給権を持つ者に対してのみ行われるべきであるという理由および被保険者や受給資格者が怠惰に陥ることを防止しようとする趣旨に基づいて、①積極的な就業意欲に欠けている場合、②離職理由からみて自発的失業である場合および、③不正受給を行った場合に、それぞれ基本手当の支給を制限するものです。

しかし、これらの給付制限のうち①、②のケ−スと③は、基本的に性格が違うため明確に区分しなければなりません。

つまり、①および②は一定の期間、基本手当を支給しないとするものです。

これは、正当な理由がなく、受給資格者が受給資格の決定を受けた後に、公共職業安定所の紹介する職業に就くことまたは公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受けることを拒んだときは、自発的に失業状態を継続しようとする者であり、また、正当な理由がないと認められるにもかかわらず自己の都合によって退職したときは、自発的に失業状態をつくり出した者であり、当面一応労働の意思を欠くと推定することが妥当な者です。

しかも、雇用保険における失業給付等は、本来、非任意的失業に対して給付を行うことをその趣旨としており、自発的失業というのは制度の本旨になじまないものです。

しかしながら、労働の意思および能力というものは時の経過とともに変化するものであり、当初は任意的失業であっても一定の期間の経過により非任意的失業と同様の状態に変化することがあります。

給付制限の対象となる受給資格者についても、給付制限期間の経過により非任意的失業に転化したものとして類型的に処理することとしています。

これに対して、③は偽りその他不正の行為により失業等給付(基本手当など)の支給を受けまたは受けようとした者を対象とし、当該給付の支給を受け、または受けようとした日以後失業等給付を支給しません。

すなわち、1つの失業等給付について不正受給があった場合には、その不正の行為の日以後すべての失業給付の支給が停止されることになります。

例えば、基本手当について不正受給があれば、その日以後の基本手当はもちろん、技能習得手当や再就職手当についても支給を行いません。

これは、制度の秩序を乱す者に対する制裁の性格をもっており、その者の受給権を剥奪するものです。

ご質問のような場合は、上記②に該当するかと思われますが、これについては、被保険者が自己の責に帰すべき重大な理由によって解雇され、または正当な理由がないと認められるにもかかわらず自己の理由によって退職したときは、待期満了後1ヵ月以上3ヵ月以内の間、基本手当は支給されません。

【平成15年:事例研究より】