通勤途上の事故を自賠責で処理するが、第三者災害届を提出か【平成16年:事例研究より】

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当社の社員が通勤途上で自動車事故にあいました(経路の逸脱はありません)。

療養のための休業は2週間程度とのことですから、自賠責保険で処理すればよいと考えますが、自賠責保険で処理した場合でも、労災保険の「第三者行為災害届」を所轄労基署に届け出なければならないのでしょうか。

【大阪・N社】

第三者行為災害について労災保険給付を受けるには、一般の業務災害、通勤災害の場合の保険給付の請求手続きのほかに、「第三者行為災害届」という特別の手続きが必要です。

第三者の行為による災害の届出について、労災保険法施行規則第22条は「保険給付の原因である事故が第三者の行為によって生じたときは、保険給付を受けるべき者は、その事実、第三者の氏名及び住所(第三者の氏名及び住所が分からないときは、その旨)並びに被害の状況を、遅滞なく、所轄労働基準監督署長に届け出なければならない」と規定しています。

「労災保険給付を受けるべき者」が提出する必要があるわけですから、自賠責保険の支払限度内で治り、労災保険の給付をまったく受けない見通しで、それが確実な場合には、「第三者行為災害届」を提出する必要はありません。

労災保険を使うかどうか分からないときは、提出しておいた方がよいでしょう。

【平成16年:事例研究より】