当社は業務上の傷病がほとんどなく、労災保険の休業補償給付を請求することは皆無でしたが、雑役婦が転倒、負傷するという災害が起きました。
平均賃金の算定は、賃金締切日がある場合には、直前の賃金締切日からさかのぼって3ヵ月が算定期間となりますが、賃金締切日以後2、3日しか経過しないで、まだ賃金計算中に業務上の傷病が発生したときは、平均賃金の起算日は、その月の賃金締切日ですか。
また、雇入れ後3ヵ月に満たない者についても、賃金締切日から起算しますか。
【大阪・T社】
平均賃金は、算定事由の発生した日、つまり業務上の傷病発生の日の前日からさかのぼって、過去3ヵ月間に、その労働者に支払われた賃金の総額をその期間の総日数(所定休日を含む暦日数)で割ったものが平均賃金です。
賃金締切日が定まっている場合(賃金締切日があるのが通常)直前め賃金締切日から起算して、さかのぼった3ヵ月間が算定期間となります。
これは、暦日数で計算するよりも、賃金締切日の期間によって計算する方が簡便であるためです。
一般に毎月1回の賃金締切日が定められており、3ヵ月間(3賃金締切期間)をとって計算します。
ご質問のように賃金締切日から2、3日しか経過しておらず、また賃金計算前であっても、直前の賃金締切日とはその月のものになります。
賃金締切当日に業務上の傷病が発生したという場合には、災害発生当日は算定期間に含まれませんから、その月の前の賃金締切日から起算することになります。
次に、雇入れ後3ヵ月に満たない者の場合の平均賃金の算定方法ですが、「雇入後3ヵ月に満たない者の平均賃金の算定にあたり賃金締切日があるときは、なおその賃金締切日から起算する」(昭23・4・22基収第1065号)とされ、直前の賃金締切日から雇入れの日までを算定期間とします。
しかし、直前の賃金締切日から起算すると、1賃金締切期間(1ヵ月を下らない期間)に満たなくなる場合には、賃金締切日から起算せず、算定事由発生の日の前日から起算します。
【平成4年:事例研究より】