業務災害により療養の休業すると、給付基礎日額の60%の休業補償給付と、同じく20%の休業特別支給金が支給されます。
どちらも同じようなものと思われますが、補償給付と特別支給金となぜ違った取り扱いがなされているのでしょうか。
【東京・M社】
労災保険の休業補償給付は、業務災害を被った労働者が、その災害による傷病の療養のため働くことができないために、賃金をもらえない場合に、休業中の生活費として支給されるものです。
その支給要件は、1.業務上の傷病の療養のため2.労働することができず3.賃金を受けられないこと一一の3つです。
休業特別支給金の支給要件は、休業補償給付と全く同じで、休業補償給付を受ける者に支給されますが、保険給付とは異なったものとされています。
つまり、休業特別支給金をはじめとする諸特別支給金は、保険給付とは別に労働福祉事業としで支給されるもので、保険給付を補完する意味で設けられています。
その性格は、災害補償そのものではなく、休業特別支給金にあっては療養生活援護金の色彩が濃いものということができます。
他面、その支給事由、支給額等から明らかなように、保険給付と直接的関連、密接不可分の加給金的な関係になり、保険給付と相まってこれを補う所得的効果を持つものということができます。
休業特別支給金め支給の申請は、原則として休業補償給付の支給の請求と同時に行わなければなりません。
【平成4年:事例研究より】