労災で通院治療中の者が自宅から病院までバスを利用、交通費は支給されるか【平成4年:事例研究より】

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当社の従業員が業務上負傷し、病で入院治療し、その後、通院治療を開始しました。

被災者は休業の上の通院であり、自宅から直線的にみても4km以上あり、バスで通院していますが、労災保険ではバス代はもらえないのでしょうか。

【秋田S社】

労災保険から通院費が移送費(移送の範囲に通院費を含めて支給の対象としている)として支給されるのは、 1.傷病労働者の住居地又は勤務先からおおよそ4kmの範囲内にある当該傷病に適した指定医療機関へ通院する場合であって交通機関の利用距離(住居地と勤務地の間は除く)が片道2kmをこえる通院 2.傷病労働者の住居地又は勤務先からおおよそ4?の範囲内に当該傷病の診療に適した指定医療機関がないため4?をこえる最寄りの指定医療機関への通院 3.労働基準監督長が診療を受けることを勧告した医療機関への通院する場合に限られています(昭48・2・1基発第48号)。

近くに指定病院があるにもかかわらず、勝手に遠方まで通院している場合には、通院費は支給されません。

住居地から4?の範囲内に指定病院がないため、4km以上ある指定病院へ通院しているのであれば、その通院に要する費用(バス代)は労災保険から通院費として支給されます。

労災保険から通院費が支給される場合の請求方法は、「療養補償給付たる療養の費用請求書」にその移送に要した額を証明できる書類(領収書)を添付して、所轄労基署に提出します。

しかし、電車やバスで通院する場合、いちいち領収書をもらうわけにいきませんので、「療養の費用請求書」に担当医が証明する「療養の内容」欄によって実診療日数がわかっているときは、領収書を添付しなくても差し支えありません。

【平成4年:事例研究より】