休日利用で土帰月来する単身赴任者の途上での事故は通災となるか【平成4年:事例研究より】

トップ » 労災 » 労災とは

当社は各地に営業所があり、転勤の際、家族持ちがやむを得ない事情から単身赴任し、家族と別居して任地の社宅から営業所に通勤しています。

単身赴任者が週末に勤務先と自宅を往復する途上の災害は、通勤災害認定がほとんど不可能とされていましたが、最近“土帰月来”には通災が適用されるようになったと聞きました。

単身赴任者の帰宅(または出社)途上の新しい通災適用についてご教示ください。

【東京・S社】

単身赴任者等が、休日を利用して就業場所から自宅に帰り、週初めに自宅から就業場所へ出勤(週末帰宅型通勤)する往復途上の災害について、労働省は「1.就業の場所と自宅との間の往復に、原則として、毎週1回以上の反復・継続性が認められること2.就業の場所と自宅との間の所要時間及び距離は、原則として、片道3時間以内及び200km以内であること」(平3・2・1基発第74号)の2つの要件を満たしている場合には、その往復中の災害は通勤災害と認めるという新しい認定基準を示しました。

また、同通達では、週末帰宅型の通勤を行う労働者が、洗濯物を自宅に持ち帰るため、あるいは、着替え等のため通常の通勤の拠点となる社宅・アパート等の住居に立ち寄る行為は、労災保険法施行規則第8条に規定する「日用品の購入その他これに準ずる行為」としています。

したがって、週末帰宅型通勤の途中に、日用品の購入その他これに準ずる行為を、やむを得ない事由により最小限度の範囲で行うため社宅等に立ち寄った場合には、逸脱・中断の間を除き合理的な経路に復した後は通勤と認めるとされています。

営業所と自宅の間が片道200km以内かつ3時間以内であり、毎週1回以上往復していれば、土帰月来の途上において発生した災害は通災と認められることになります。

もちろん、その往復行為が合理的な経路及び方法により行われなけれぱならないことはいうまでもありません。

【平成4年:事例研究より】