海外出向者が2年勤務後、病気のため帰国し6ヵ月休業、その後3ヵ月出社し退職、基本手当を受給できるか【平成4年:事例研究より】

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当社の従業員Aは、海外の子会社に出向していましたが、2年勤務したところで病気にかかり、帰国し、その後治療のため6ヵ月休業しました。

治ゆし復職(本社勤務)しましたが、身体のこともあって軽い仕事に就きたいと、3ヵ月で退社しました。

この場合、雇用保険は受給できないのでしょうか。

【大阪・M社】

雇用保険の基本手当の支給を受けるには、原則として離職の日以前1年間に被保険者期間が通算して6ヵ月以上あることが必要です。

ご質問の場合、私病休業期間中は賃金の支払いを受けていませんし、海外出向中も貴社から賃金は支払われていませんので、離職の日以前1年間に被保険険者期間は3ヵ月しかないことになります。

しかし、雇用保険では離職の日以前1年間に、疾病、負傷、出産、事業主の命による外国における勤務などにより、引き続き30日以上賃金の支払いを受けることができなかった被保険者については、これらの理由により賃金の支払いを受けることができなかった日数が1年に加算されます(受畍要件の緩和)。

加算される期間は最大限3年で、加算した期間(最長4年)内に被保険者期間が6ヵ月以上あれば、受給要件を満たします。

ご質問の場合、離職の日以前1年間に9ヵ月賃金の支払いのなかった月間がありますが、そのうち6ヵ月は疾病、3ヵ月は海外出向のためですから、それぞれについて受給要件の緩和措置を受けることができ、賃金の支払いを受けることができなかった2年6ヵ月(疾病による休業6ヵ月、海外出向期間2年)を加えた3年6ヵ月に被保険者期間が通算し6ヵ月以上あれば、基本手当の受給要件を満たします。

【平成4年:事例研究より】