手当受給中と知らずに雇用したが、会社も連帯返還命令の対象になるのか【平成16年:事例研究より】

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雇用保険の失業等給付の不正受給があったとき、連帯返還命令はどのような場合に出されるのですか。

つい最近、基本手当を受給中の人を3日間臨時的に雇用しましたが、私の会社で働いたことを公共職業安定所に申告せず、手当の不正受給として処分されるらしいのです。

不正受給者を雇用した事業主として、私の会社にも何か処分があるのでしょうか。

【山梨・E社】

失業等給付の不正受給があったときは、公共職業安定所長は、不正受給者に対し、不正に受給した基本手当等の全部または一部の返還を命ずることができます。

返還を命ぜられる額は、不正の行為によって受給した基本手当(例えば、就職していた日について就職していたことを申告せず支給を受けた基本手当)と、不正の行為があったことに基づく支給停止により受給権がなくなっだのに受給した基本手当(不正の行為のあった日以後不正受給の発覚までに受給した基本手当)の額の合計額に相当する額になります。

宥恕(ゆうじょ:寛大な心で罪を許すこと)ことより、相手方の非行を許容する感情の表示)こより、不正の行為のあった日以後も基本手当の全部または一部が支給される場合には、その部分については返還命令の対象になりません。

不正受給金の返還が命ぜられた場合には、公共職業安定所長から不正受給者に対し、「雇用保険における失業等給付の支給停止通知および返還命令書」が発せられることになります。

この返還を命ぜられた金額の納付を怠った場合には、督促状が発せられ、さらにその督促状に指定する期限までに納付しなかったときには、財産差押えの処分が行われることがあります。

なお、不正受給された失業等給付の返還は、都道府県労働保険歳入徴収官が納期限を指定して行った納入の告知に従って、日本銀行の支店、代理店もしくは歳入代 理店、郵便局または都道府県労働保険特別会計収入官吏に納入することによって行うこととされています。

また、不正受給が、事業主の虚偽の届出、報告または証明によるものであるときは、事業主に対して不正受給者と連帯して不正受給金を返還させるため連帯返還命令が発せられることがあります。

これはたとえば、事業主が離職証明書に虚偽の記載(賃金の水増し等)をしたケースなどです。

この場合、事業主が利益を得たか否かは問いません。

ご質問の場合は、不正を行った受給資格者に対して、雇用されていた3日分および不正に受給した日以後の分の基本手当の返還命令処分が行われると思われますが、もう一方の当事者である事業主に対しては、公共職業安定所の調査に対して問題の不正受給者を雇用していないという虚偽の報告をして、その不正受給を助けたというような事実のない限り、連帯して返還を命ぜられるようなことはありません。

【平成16年:事例研究より】

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