加入手続きを忘れた従業員がいるが、5年前までさかのぼれないか【平成16年:事例研究より】

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当社は従業員を約50人雇用していますが、先日、このうちの1人について、雇用保険の被保険者資格の届出がもれていることが判明しました。

雇い入れてから既に5年以上経過してしまっているのですが、これから届出を行っても、雇入れ時までさかのぼって被保険者となったことの確認を受けることが可能なのでしょうか。

【茨城・K社】

事業主は、雇い入れた労働者が雇用保険の被保険者となる場合には、被保険者となった日の属する月の翌月10日までに、事業所の所在地を管轄する公共職業安定所(ハローワーク)の長に「雇用保険被保険者資格取得届」(以下「資格取得届」といいます)を提出して、その者が被保険者となったことについて公共職業安定所長の確認を受けなければならないことになっています(雇用保険法施行規則第6条第1項)。

しかしながら、ご質問のように何らかの理由で資格取得届の提出がもれていた場合の取扱いにつきましては、このような場合であっても資格取得届は受理され、過去に遡及して被保険者となったことの確認が行われます。

この場合、被保険者となったことの事実(ご質問の場合には、雇用されたこと)のあった日を被保険者となった日とするのが原則です。

しかしながら、被保険者となった日が、被保険者となったことの確認が行われた日の2年前の日よりも前であるときは、その確認が行われた日の2年前の日を被保険者となった日とみなすこととされています(雇用保険法第14条第3項第2号)。

したがって、例えば、平成10年4月1日に雇い入れた者について資格取得届の提出がもれていたことが後になってわかり、被保険者となったことの確認が平成15年12月1日に行われたとすると、その2年前の日、すなわち平成13年12月1日に被保険者となったものとみなして取り扱います。

このように確認の日から2年だけさかのぼることとしているのは、あまり長期問さかのぼると被保険者であったことや賃金支払の状況等を把握することが困難なことなどの理由によるものです。

資格取得届の提出が、雇い入れ後相当期間経過してから行われた場合には、雇用保険の基本手当の所定給付日数を左右する被保険者であった期間について、労働者が不利益を被る恐れがありますので、事業主としては、こうした届出もれが生じることのないよう十分に注意することが必要です。

なお、詳細につきましては、事業所の所在地を管轄する公共職業安定所(ハローワーク)にお問い合せ下さい。

【平成16年:事例研究より】