事業所単位で行っている諸手続き、本社で一括処理は可能か【平成16年:事例研究より】

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当社は全国にいくつかの支店をもっていますが、現在、支店ごとに処理している雇用保険の手続きを本社で一括して行いたいと考えています。

基本的に、それは可能でしょうか。

(東京・F社)

適用事業の事業主は、雇用保険法の規定に行うべき被保険者に関する届出その他の事務を、その事業所ごとに処理しなければなりません。

雇用保険に関する事務をその事業所ごとに処理するとは、例えば、資格取得届、資格喪失届等を事業所ごとに作成し、これらの届出等は個々の事業所ごとにその事業所の所在地を管轄する公共職業安定所の長に提出すべきであるという趣旨です。

したがって、現実の事務を行う場所が個々の事業所である必要はなく、例えば、本社において事業所ごとに書類を作成し、事業主自らの名をもって提出することは差し支えありません。

この場合には、各届書の事業所欄には必ず個々の事業所の所在地を記載し、事業主住所氏名欄には、その本社の所在地および事業主の氏名を記載します。

事業主に雇用されている労働者の勤務する場所または施設が一の事業所として取り扱われるか否かは、次の各号に該当するか否かによって判断されます。

(イ)場所的に他の(主たる)事業所から独立していること。

(口)経営(又は業務)単位としてある程度の独立性を有すること。

すなわち、人事、経理、経営(又は業務)上の指導監督、労働の態様等においてある程度の独立性を有すること。

(ハ)一定期間継続し、施設としての持続性を有すること。

なお、これらの要件の一部を満たさない場合であっても、労働者名簿、賃金台帳の備付状況、他の社会保険料の取扱い状況等によっては、一の事業所とみなされる場合もありますから、実態を見て個々に判断することになります。

以上のことから、支店とか工場とかいったように、一定の労働者がそこで勤務するものは、通常は場所的にも経営ないし業務単位としてもある程度の独立性を有すると考えられますから、一の事業所として雇用保険の適用単位になるものと考えられます。

ただし、独立した経営単位と認められないようなものは、一の事業所として取り扱われません。

ご質問については、支店が事業所として取り扱われるか否かが問題となりますが、独立した経営単位と認められない場合には、安定所の長の承認を得て、直近上位の適用事業所、例えば本社で一括して事務処理を行うことができます。

この取扱いを受けようとするときは、その支店の所在地を管轄する安定所の長に「事業所非該当承認申請書」を提出して、承認を受けなければなりません。

なお、事業所非該当承認は、一の経営組織としての独立性を有しない施設につき一の事業所として取り扱わないことを承認するもので、事業主および行政の事務処理の便宜と簡素化を図るために行うものではありません。

【平成16年:事例研究より】

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