ケガで退職後に新たな病気生じたが、障害等級はどう変わるか【平成15年:事例研究より】

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当社従業員の父親は、サラリーマン時代に重いケガで障害等級2級の認定を受け。

退職した後、障害厚生年金(障害基礎年金)を受給しています。

ところが、最近、内臓疾患を発症し、完全な治癒は期待できない状況だという話です。

仮に、新しい疾病でも2級の認定を受けた場合、どうなるのでしょうか。

【福井 B社】

まず、その父親の年齢が問題になります。

すでに、退職しているのですから、国民年金の被保険者か、すでに被保険者資格を喪失しているか、そのどちらかのはずです。

障害基礎年金の受給権を得るためには、新しい傷病の初診日時点で、現に被保険者であるか、過去に被保険者で60歳以上65歳未満であるか(国内在住が要件)、どちらかでないといけません。

年齢条件をクリアし、保険料納付要件も満たすとして、障害の状態が2級に該当した場合には、年金の支払いはどうなるのでしょうか。

同一人に、2つの障害基礎年金の受給権が生じたときには、両年金の障害の程度を併合して、新しい障害等級を決めます。

この場合、今までの障害基礎年金の受給権は消滅してしまいます。

ですから、併合の結果、・1級と認定されたら、1級の障害基礎年金が支給されるようになります。

障害基礎年金1級の額は、2級の1.25倍です。

とすれば、併合認定後は、2級の障害厚生年金と1級の障害基礎年金が併給されるのでしょうか。

厚生年金の被保険者でなくなった後、病気になったのですから、障害厚生年金は変わらないと考えるのが普通でしょう。

しかし、厚生年金法第52条の2で、「障害厚生年金の受給権者が、障害基礎年金の受給権を有するに至ったときは、併合した障害の程度に応じて、厚生年金の額を改定する」と定めています。

ですから、障害厚生年金も1級に格上げされます。

【平成15年:事例研究より】