障害年金について加入期間が短いとき、最低保障の計算知リたい【平成16年:事例研究より】

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障害厚生年金を計算するとき、被保険者期間が300月に満たないときは、300月とみなして計算する特例があります。

総報酬制が導入されてからは、平成15年3月より前と後と、2つに分けて年金額を計算するようになりました。

この場合、平成15年3月より前の期間を300月とみなすのでしょうか。

【徳島・G社】

障害厚生年金の計算式は、別掲のとおりです。

平成15年3月より前の被保.険者期間については、標準報酬月額のみをベースにして、年金額を計算します。

4月以降については、標準報酬額、つまり標準報酬月額と標準賞与額を合算した額を用いて、年金額を算出します。

4月以降は、ベースとなる金額が賞与分だけ増えるので、給付乗率は小さくなります(1000分の7.125から1000分の5.481)。

障害厚生年金の支給事由となる疾病は、いつなんどき発生するか分かりません。

被保険者となってすぐに障害が残ったとき、原則に従って年金を計算すると、わずかの額にしかなりません。

これでは、保険の機能を果たさないので、被保険者期間が短いときは、最低300月として計算するという規定が設けられています。

つい最近被保険者になった人でも、25年(300月)前から被保険者だったとみなして、年金額を計算するのです。

さて、この300月を別掲の計算式にどのように当てはめるかが問題です。

25年前から被保険者だったと考える原則からすれば、平成15年3月より前の被保険者期間を長くして、合計300月に調整するのが、妥当なようにも考えられます。

しかし、法律の原則は、もっと単純です。

まず、原則どおり、実際の被保険者期問に応じて年金額を計算します。

その金額に、「300月÷実際の被保険者期間」という式で計算した数字を乗じます。

考え方としては、最低保障の300月を、平成15年3月より前の被保険者期間と4月以降の被保険者期間のそれぞれに比例按分で割り振ったのと同じ結果になります。

【平成16年:事例研究より】