理由判定が緻密化したと聞くが離職の認定どう変わったのか【平成15年:事例研究より】

トップ » 法改正 » 様式変更

平成13年4月から離職理由の判定手続きや離職証明書等の様式が変更されたとのことですが、これらについて詳しく教えてください。

【長崎 F社】

被保険者が離職した場合には、①事業主から資格喪失届および離職証明書を事業所管轄安定所に提出していただき、②事業所管轄安定所はこの内容を確認し、離職票1・2を交付します。

③離職者は事業主を通じて交付された離職票1・2に必要事項を記載の上、④住居地管轄安定所に提出、受給資格決定を受けることとなります。

離職理由の判定手続きについては、平成13年4月以降は離職理由によって、所定給付日数が変動することになることから、これまでの手続き以上に離職者の主張も尊重され、かつ、事業主および離職者との間でも認識の違いが極力抑制されるようにする必要があるとの観点から次のような手続きに変更されました。

離職証明書の離職理由欄については、あらかじめ記載された詳細な離職理由の中から事業主の方が該当する項目を選択する方式とする一方で、それに対する離職者の方の異議の有無を確認するために新たに記載欄を別に設け、記載させる形となりました。

このような変更は、単に、離職者の主張が尊重されるような手続きや書式を設けることのみを目的とするのではなく、これに加えて、離職証明書提出前の段階において、事業主と離職者の両者の間で、離職理由についてよく話し合っていただき、両者の見解の相違がないものを提出していただくことによって円滑に離職理由の判 定手続きが行われることを期待するものです。

これに伴って、次のような様式の改正が行われました。

(1)⑦欄(離職理由欄)については、離職理由をより的確に把握するため、これまでより詳細に記載された離職理由の中から該当する項目を選択することができるようになりました。

(2)また、これまで以上に離職者の主張も尊重されるようにするため、離職証明書においては、⑩欄から分離独立させ新たに⑩欄を設け、⑦欄に記載された離職理由についてのみ離職者の異議の有無を確認できるようにしたことに加え、離職票−2においては⑦欄(離職理由欄)において、離職者記入欄を設け、離職者の主張する離職理由を記載できるようになりました。

離職理由の判定に際しては、これまで以上に公正な手続きを行いながらいかにして事実に近づいていくかが重要であるため、両者の主張を把握するのみならず、その際にはそれぞれの主張する離職理由を確認できる資料や証言による事実確認を行ったうえで、これらを十分に吟味し、最終的に公共職業安定所長が的確に行います。

このため、事業主または離職者の方々には、自らの主張される離職理由を確認することができる客観的資料の持参が求められます。

【平成15年:事例研究より】